『この英語、どう違う?』「a」と「an」/【連載第6回】

生活

公開日:2019/5/2

『この英語、どう違う?』(ルーク・タニクリフ/KADOKAWA)は、日本人が間違いやすい、似た意味を持つ2つの英単語の違いを分かりやすく解説した1冊です。どれも日本人になじみ深い単語なので、しばらく英語から離れていた人でも楽しく読めることうけあい。ここで、本書で紹介している英単語を10組ピックアップして紹介します。第6回は「a」と「an」の使い分け方です。

a vs. an ――anになるのはどんなとき?

 皆さんは、aとan をどのように使い分けていますか?

 a、e、i、o、uという5つの母音字から始まる英単語には anを使うと覚えている方がいると思いますが、実はそれだけで判断してはいけません。なぜなら、ネイティブは「発音」で判断するからです。つまり、単語が母音から始まる場合にはanを使い、子音から始まる場合にはaを使うということです。

 多くの場合、母音字と母音は同じなのですが、子音字を母音として発音する場合もあります。

 たとえば、「1時間」を意味するan hourのhourは、子音字から始まりますが、母音として発音するためanを使います。また、「レントゲン」を意味するX-rayのXの発音は[eks]なので、これもまたan を使います。

 逆に、utopianは母音字から始まりますが、aを使います。utoは[juːtóu]と、子音として発音するからですね。単語の意味は「ユートピアの、空想的な」です。

a utopian world
(理想上の完璧な世界)

 ちなみに、イギリス英語とアメリカ英語では同じ単語でも発音が異なる場合があるので、a とanの使い方も異なる場合があります。 たとえば、イギリス人は「薬草」を意味する herbの「h」を発音するのでa herbになりますが、アメリカ人はhを発音しないので、an herbになります。

a herb ※イギリス
an herb ※アメリカ

まとめ

 発音が子音で始まる場合はaをつけ、母音で始まる場合にはanをつける。子音字=子音、母音字=母音とは限らないので注意!

第7回に続く

【著者プロフィール】
ルーク・タニクリフ(Luke Tunnicliffe)

1982年イギリス生まれ。イギリス人の父とアメリカ人の母を持つ。13歳までイギリスで暮らし、その後アメリカのノースカロライナ州の高校に転校、イギリス英語とアメリカ英語の違いを経験。Wesleyan Universityを卒業後、雑誌編集者/記者の仕事を経て、2005年、JETプログラムで来日。新潟の中学校で2年間英語教師をつとめ、その間に日本語を学ぶ。2008年に再来日。英会話講師とビジネス翻訳の仕事をしつつ、東京大学大学院にて翻訳論を学ぶ。
2010年に開設した自身のホームページ「英語 with Luke」は開設直後からコアな英語学習者の間で話題となる。「元気ですか?を意味する20のフレーズ」「ハーフは英語で何というか」「セミコロンの使い方」といった、初心者から上級者までレベルを問わず楽しめる記事でまたたく間に人気を博し、月間150万PVを記録する破格の人気サイトとなっている。
英語 with Luke:https://www.eigowithluke.com/
Twitter:@eigowithluke