こんなに頑張っているのになぜうまくいかないの!? すべて手に入れたい、よくばりさんにおすすめの本
公開日:2019/5/11
突然ですが、あなたはこんな悩みを抱えていませんか?
申し分のない会社で働き、十分な給料も手にしているけれど、自分の居場所はここではないような気がする。(中略)化粧品やエステにお金をかけていても肌トラブルが解消されない。増えるシワやシミ、崩れるばかりの体型にため息をつく毎日。
近年、こうした悩みを持つ人が増えていて、それと比例するように自己啓発本が活況を呈しているそうです。とはいえ、読んだ直後は分かった気になるけど、それを実践するのはなかなか難しいもの。そしてまた別の本を買ってしまう。このようなサイクルが出来ています。
こうした悩みを一時的ではなく、根本的に解決する方法が“食”にあるとしたらどうでしょうか。なぜなら、生き方と食は深い部分でつながっているからです。食が生き方をどう変えるのか、という点に興味を持った人におすすめするのは『オトナ女子は人生を“食”で奏でる』(大谷ゆみこ/幻冬舎)という本です。
幸せの尺度は人によって異なるものの、その条件は次の6つに集約することができると著者はいいます。「健康」「美」「経済的な自立」「良好な人間関係」「やりがいのある仕事」「思い通りになる現実」。全部を手に入れたいと考えるのは「よくばり」だから、我慢しなければならない。なにか一つを手に入れたら他のことはあきらめなければならない。そう考えている人は多いのではないでしょうか。こうした思い込みを持っているのは特に女性に多いかもしれません。
本書の伝えるメッセージは「よくばりでいい」ということです。そして、その6つの条件を同時に叶えられる方法が“食”であるといいます。なぜなら、食は単なるカロリーや栄養の摂取にとどまるものではないからです。適切な方法で体に栄養を行き渡らせることができれば、心にも栄養が行き渡るようになります。その結果、健康で前向きな心と身体の両方を手に入れられるようになるのです。昔、学校の英語の授業で“A sound mind in a sound body”ということわざを目にしたことがある人も多いと思いますが、まさにそのことでしょう。身体が元気になれば、気持ちが前向きになるのを感じられるようになります。
現在、原因のはっきりしない身体や心の不調を感じている人は、食を見直すと状況が変わるかもしれません。つまり、食を見直すことは幸せを手に入れるための最短ルートである、というのが本書の主張です。
著者・大谷ゆみこ氏は「未来食」を創始した人物。未来食である、つぶつぶ料理を広めるための教室を全国に展開しています。著書は本書を含めて40冊以上、オリジナルレシピは3000点以上、テレビやラジオ、雑誌などメディアへの出演実績があります。
つぶつぶ料理のコンセプトは「おいしくなくては栄養にならない」というもの。穀物、海塩、発酵調味料、乳酸菌発酵させた漬物や旬の地野菜など、10種類の食材を組み合わせるのが特徴です。マクロビオティックやベジタリアンにも考え方は似ているかもしれません。
つぶつぶ料理のユニークな点は、女性の幸せや自己実現と食をリンクさせていることといってよいでしょう。私たちは仕事や家庭をはじめとしたいくつかのコミュニティと関わりながら生活しています。それぞれ立場や状況は違っていても、基本的に物事が「自分の思い通りになる」と私たちは幸せを感じられるようになります。その最も身近なものが料理なのです。料理を通じて目の前のものを思い通りに動かしていたら、次第に料理以外のことも思い通りにできるようになっていくといいます。
著者の夢は、日本各地の家がつぶつぶ料理教室になって女性の1%が未来食を実践することだそうです。食を変えれば身体が変わる、身体が健康で美しくなれば、気持ちも変わる、気持ちが変われば前向きになって仕事も家庭もうまくいく。
よくばりな女性こそ、ぜひ一読をおすすめします。
文=いづつえり