給料日が待ち遠しい社会人のお金教室「浪費していいのは月いくらまでが正解?」

ビジネス

更新日:2019/5/22

『入社1年目のお金の教科書』(田口智隆/きずな出版)

 多くの社会人にとって、給料日は待ち遠しいもの。月末あたりになると「給料が入ったら、買い物をして飲みに行こう」と毎月のように考える人も多いはず。ところが、気が付けば給料の半分以上が趣味や遊びで消えてしまい、そして、今月もまた次の給料日を待ち焦がれている…。

 その繰り返しでなかなかお金が貯まらないという人におすすめしたいのが、『入社1年目のお金の教科書』(田口智隆/きずな出版)だ。タイトルには「入社1年目の」とあるが、著者の田口智隆氏はプロローグの中で「新入社員の若者にかぎらず、20代、30代、40代の人が読んでも大いに参考になる」と綴っている。お金との付き合い方は、基本的にいつからでも軌道修正できるのだということを、まず覚えておきたい。

 本書では、お金と上手に付き合うために大事なものとして、
(1)貯める、(2)使う、(3)増やす
という3つが挙げられている。この3つの視点が身についていないまま、ただ「稼ぐ」ことばかりに執着してしまうと、稼いだ分だけ浪費する結果にもなりかねない。これでは収入が増えるのに比例して支出も増えるだけで、いつまで経っても給与に対する不平不満はなくならないのだ。

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 さて、主要課題である「お金の貯め方、使い方、増やし方」の3つだが、これからお金との付き合い方を見直そうという人は、まず「お金の貯め方」と「使い方」を身につけることが最優先だという。なぜなら、本書が解説する「お金の増やし方」とは主に投資のことであり、投資には元手となるお金が必要だからだ。そこで本稿では、お金の貯め方や使い方に関するヒントを一部紹介したい。

■給料の使い道は、「消費」「浪費」「投資」に分けて考える

 給料の使い道は、大きく分けて「消費」「浪費」「投資」の3つ。消費とは生活に必要なお金、浪費はギャンブルや飲み代などで無駄遣いしたお金、投資は自分の将来の目標のために使うお金のことだ。本書が説く理想の割合は、「消費70%、浪費10%、投資20%」。10%までなら浪費を許すというのが長続きするポイントだ。

■お金の貯め方:「お金のノート」で支出額をざっくり把握

 自分が何にお金を使っているのかを客観的に分析することが、お金を貯めるための第一歩。そのためには、毎日の買い物のレシートをきちんと持ち帰り、ノートに「(1)日付、(2)買った品物とその金額、(3)その日使った合計金額」の3項目を記入するのがおすすめ。

 ここで重要なのは、1日にいくらお金を使っているのかを把握すること。なので、家計簿のように仕訳したり、1円単位で正確に記入したりする必要はないそうだ。これを3カ月続ければ、自分の消費のクセや問題行動も見えてくる。

■お金の使い方:保険は積み重なると大きな出費に

 もしものことを考えると保険に入っているほうが安心かもしれないが、毎月の保険料は積み重なると無視できない大きな出費になる。保険はあくまで万が一の事態が起きたとき、自分や家族が金銭的に困らないようにするためのセーフティーネットだ。ある程度の貯金があり、入院費用を捻出できるならば、保険に入っていなくても事足りるということを念頭に置いておこう。

 お金の貯め方と使い方の基本を身につけ、お金を貯めることが苦にならない貯金体質をつくることができたら、3つめのステップとして、お金を増やすための投資が待っている。手取り20万円でも実践できる投資の方法や注意事項については、ぜひ本書を手に取って確認してみてほしい。

文=上原純