「私だけ、頑張っても頑張っても報われない…」 見失っている幸せを見つけるヒントとは?

暮らし

公開日:2019/5/30

『仕事も人生もうまくいっている女性の考え方』(朝倉千恵子/あさ出版)

「フリーのライターって、何時から働くんですか?」と聞かれることがある。わたしの答えは「朝起きて3分後から」。顔も洗わず原稿を書き、一段落したら身支度をして、取材や打ち合わせへ向かう。帰宅したら家事をして、また原稿を書く……。毎日がその繰り返し。好きで始めた仕事だが、(わたし、なにやってるんだろう?)と思うことがある。会社に勤務している女性も、生活パターンは違えど、思うことがあるのではないだろうか。わたし、なにやってるんだろう――?

『仕事も人生もうまくいっている女性の考え方』(朝倉千恵子/あさ出版)の著者のもとには、「どうしたらいいかわからないんです。ただもう、くたびれてしまって……」と嘆く女性たちがやってくるという。なにがいけないのか? いったいどうすればいいのか? 必死に考えた著者は、ようやく答えを見つけた。その答えとは、「ただ、頑張りすぎていただけ」――。頑張ることに注力し、そして勝手に疲れ、疲れている分、心に余裕がなくなり、余計なトラブルやミスを引き起こし……という悪循環。この悪循環から抜け出し、人生を輝かせるヒントを綴ったのが本書。40のヒントの中からいくつか紹介したい。

■あなたはあなたが考えたとおりの人になる

「ツイていない」と考えていると、ツイていないことが立て続けに起き、なにが起きても「なんとかなるさ」と考えていると、本当になんとかなると著者は言う。いまのあなたも、実はあなたが過去に考えたとおりのあなた。すべての現実は、あなた自身の思考が引き寄せている。「なれない自分」「できなかった自分」が現実になってしまうというのだ。なりたい自分をイメージし、それをゴールと決め、実現を信じることで、迷いがなくなる。心のナビゲーションが働き始め、直感が進むべき方向を教えてくれるようになるという。

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■なりたい自分を演じてみる

 宝塚で男役を演じていた女優さんが、役作りについてこんなことを話していたという。「カッコいい俳優さんたちがたくさん出ていた刑事ドラマをひたすら見ては真似して演じていました。ちょっとした手の動き、呼吸、言葉遣い……。(中略)気づいたら普段の振る舞いや口のきき方、言葉遣いも、さらには性格も感覚も男っぽくなってしまいました」――。人は、真似て演じることで、学び、身につけることができる。最初はぎこちなくても、この方法こそがだれもが通ってきた道。演じ続けるうちに、そうする自分が普通になってくるという。

 本書ではこの他、「どんなときも思い切り自分を大切にする」「1日1回は自分に期待する」「メイクのムラは仕事のムラ」「ちょっとしたひと言を相手はちゃんと聞いている」「ピンチは人生を支える“節”をつくるチャンス」など、目から鱗が落ちるヒントが盛りだくさん。(頑張っても報われない……)と嘆く女性の必読書となるだろう。

文=水野シンパシー