仕事に悩む全ての女性が読むべき「自分で始めた112人の女性達」のインタビュー集

ビジネス

更新日:2019/6/5

『自分で「始めた」女たち 「好き」を仕事にするための最良のアドバイス&インスピレーション』(グレース・ボニー:著、月谷真紀:訳/海と月社)

 好きなことを仕事にできたらどんなに素晴らしいことだろう。気づけば、生活のために働いて、自分が本当にしたいことができない…という人も決して少なくはないだろう。だが、誰だって、ほんの少しの思い切りがあれば、自分が本当に好きなことを仕事にできるはず。ただ、その一歩を踏み出すのは、どうにも難しい。特に女性は、男性以上に、新しい一歩を踏み出すことに躊躇する人が多いように感じる。

 今のキャリアにどうも満足できていない女性にこそ、おすすめしたい本がある。グレース・ボニー氏著・月谷真紀氏訳『自分で「始めた」女たち 「好き」を仕事にするための最良のアドバイス&インスピレーション』(海と月社)は、読めば読むほど、ビジネスへの情熱が湧いてくる、パワーあふれるインタビュー集。この本は、アメリカでは30万部を記録し、ニューヨークタイムズのベストセラーリストにも入っている。多くの女性たちから圧倒的支持と共感を受け、ビジネス誌、女性誌、新聞、サイトなど数多くのメディアがこぞって絶賛している作品なのだ。

 ページをめくるごとに心が浮き立つのは、112人もの女性の姿を、ファッションやスタイル、オフィスまで、カラフルな写真で紹介しているためだろうか。料理研究家、デザイナー、作家、ミュージシャン、イラストレーター、モデル、ブロガー、家具職人、スタイリスト、キュレーター、コメディアン、TV司会者、俳優、陶芸家、ジャーナリスト…。多種多様な職業の女性の姿を掲載しているのはもちろんのこと、その年齢層も、19~94歳と、幅広い。

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 ビジネス系の本に登場する外国の女性起業家や成功者というと、若い白人女性ばかりのイメージだが、この本では、有色人種の女性もLGBTの女性も、心身に障がいのある女性も紹介している。こんなにも多様な人の活躍が紹介されているのだから、必ず、あなたも、自分に似た女性に巡り会える。

 そして、そんな彼女たちの言葉が、ひとつひとつ心に響くのだ。自分で自分の道を切り開いてきたから言える言葉なのだろうか。力強い彼女たちの言葉に、自分もこんな風になりたい、もっと頑張らねばならないという気にさせられてしまうのだ。

--自分の性格でいちばん自慢できるところは?
「自分を他人と比べないところ。だって人生は競争じゃないもの」
クリスティーン・シュミット(アーティスト・デザイナー)

--自信をなくしたり逆境に陥ったときの立ち直り法は?
「自信がなくなったら、子どもに戻ってみるの。子どもの自分が好きだったものが、何が自分に向いているかのバロメーターでしょ」
ジョアナ・アヴィレス(イラストレーター)

--あなたにとって成功とは?
「私にとっての成功とは、この世から肉体が去ったあとに残る遺産」
サイ・ラウズ(トランスジェンダーのためのランジェリーメーカーデザイナー)

 この本は、女性のためのガイドブックと言っても良いだろう。きっとあなたの進むべき新しい道を教えてくれる。仕事に悩む全ての女性の道しるべになるに違いない作品だ。

文=アサトーミナミ