佐渡島庸平 今月の「この本にひとめ惚れ」『低地』『世界のかわいい本の街』『C&Lifeシリーズ 東京カフェ 2019』

文芸・カルチャー

公開日:2019/6/17

『ダ・ヴィンチ』本誌の人気連載コーナー「この本にひとめ惚れ」から、コルク代表・佐渡島さんのひとめ惚れ本を紹介。『宇宙兄弟』『ドラゴン桜』といった大ヒット作品を世に出した天才編集者・経営者が“ひとめぼれ”した本をチェック!

『低地』
ジュンパ・ラヒリ:著 小川高義:訳
新潮社 2500円(税別)

装丁(日本語版):新潮社装幀室
装画(日本語版):藤本麻野子
編集(日本語版):須貝利恵子

ジュンパ・ラヒリは大好きな作家なのに、5年も前に出版されていたことに気づかなかった! クレスト・ブックス、電子書籍化してくれないかなぁ。

『世界のかわいい本の街』
アレックス・ジョンソン:著 井上舞:訳
エクスナレッジ 2200円(税別)

装丁(日本語版):甲谷一(Happy and Happy)

装画(日本語版):Alice Smith

「本の街」に絞っているエッジの立て方がすごい。ニッチなテーマだが、本好きとしてはたまらない。出版してくれたことに敬意。

『C&Lifeシリーズ 東京カフェ 2019』
朝日新聞出版:編著
朝日新聞出版 900円(税別)

装丁:bitter design(矢部あずさ)
編集:朝日新聞出版

東京を歩くときは常に目的地に向かっているが、あてどなく歩くともっと楽しいかもしれないな、という最近の気分にフィット。

【青山ブックセンターにて彷書】

<プロフィール>
佐渡島庸平(さどしま・ようへい)
1979年生まれ。東京大学文学部を卒業後、2002年に講談社に入社。
週刊モーニング編集部にて、『バガボンド』(井上雄彦)、『ドラゴン桜』(三田紀房)、『働きマン』(安野モヨコ)、『宇宙兄弟』(小山宙哉)、『モダンタイムス』(伊坂幸太郎)、『16歳の教科書』など数多くのヒット作を編集。
インターネット時代に合わせた作家・作品・読者のカタチをつくるため、2012年に講談社を退社し、コルクを創業。
従来のビジネスモデルが崩壊している中で、コミュニティに可能性を感じ、コルクラボというオンラインサロンを主宰。
編集者という仕事をアップデートし続けている。
●Twiter ID:@sadycork

写真=首藤幹夫
取材・文=田中裕