松本大洋「きっとすごいアニメーションになる」 古川日出男の『平家物語 犬王の巻』を湯浅政明がアニメ映画化
公開日:2019/6/22
古川日出男の小説『平家物語 犬王の巻』が、映像監督・湯浅政明によって映画化されることが明らかに。キャラクター原案を漫画『ピンポン』の松本大洋、脚本をドラマ「逃げるは恥だが役に立つ」の野木亜紀子が手がけるとあって、「スタッフ陣が豪華すぎる」と話題になっている。
原作となる小説は、古川が2017年に発表した小説。室町時代を舞台に、世阿弥と人気を二分したといわれている能楽師・犬王の実話をもとにした物語だ。世阿弥と同じように足利義満から高く評価されていた犬王だったが、その作品は一切現存していない。小説には、究極の美を求めた犬王の反省が描かれている。
同作を読んだ読者からは、「歌うような文章に惹かれて一気に読んでしまった」「能楽がヒップホップのような熱量で語られていて面白い」「古川さんの文体と平家物語がこんなに相性抜群だなんて驚き」と絶賛の声が続出。古川は『平家物語』本編の現代語訳を手がけていることもあって、「古川さんのおかげで古典文学に興味を持つようになった」「セットで読むとより深く楽しめる」といった声も多い。
映画の監督を務める湯浅は、森見登美彦原作アニメ「四畳半神話大系」や映画「夜明け告げるルーのうた」を手がけてきた人物。映画「犬王」はミュージカルアニメーションとして制作される。キャラクター原案担当の松本は、原作単行本の装丁も手がけた縁ある漫画家。映画化については「きっとすごいアニメーションになると期待しています。僕も邪魔にならないように、少しでも力になれたら嬉しい」と意気込みを明かした。
脚本担当の野木は、「アニメ表現は無限であり実写の何倍も出来上がりの予想がつきません」とコメント。原作ファンからは「この3人がチームを組む日が来るとは思わなった」「能楽をテーマにしたアニメってどうなるんだろう」「これは絶対面白いに決まってる」と期待が寄せられている。
映画の公開は、2021年を予定。どんなアニメーションが生み出されるのか、続報も要チェックだ。