自己紹介、いつからアップデートしてない? 肩書きを語るだけの退屈な旧型人間から卒業しよう
公開日:2019/7/1
終身雇用・年功序列の社会モデルはすでに過去の遺物。平成の終わりには働き方改革の推進により、“副業”や“起業”、“フリーランス”などが新たなビジネススタイルとして話題に。
とはいえ、いきなり副業も起業もフリーランスも難しい。でも、いつかチャンスがあれば…と考えている人は少なくないはず。来るべきチャンスに備えて学び直したいという方におススメしたいのが『たった1分で仕事も人生も変える 自己紹介2.0』(横石崇/KADOKAWA)だ。
本書はタイトルの通り、自己紹介がメインテーマ。AI時代を迎える今だからこそ、AIには作れない“人と人の繋がりが生む化学反応”は無視できない。そして、人と人の繋がりを作るはじめの一歩は自己紹介だ。その自己紹介から自分を見つめ直し、自分を適切に伝える大切さが、本書に書かれている。
本稿では、本書に掲載されている自己紹介の「最弱の型」と「最強の型」を用いて、内容の一部を紹介したい。
A
はじめまして。わたしはマッサージ師の○○と申します。
横浜にある小さな店で、10年ぐらい勤めています。
将来的にこれまでのスキルを活かして、全国展開のマッサージ店の起業を視野に入れています。B
はじめまして。○○と申します。わたしは一瞬で相手のどこが疲れているかを見抜くことができます。
なぜなら、マッサージ師として、この10年間で1万人以上の身体をほぐしてきたからです。
もしよければ、ちょっと肩を診させてもらえませんか?
まず、この二つの紹介文の違いは時制にある。Aは「現在→過去→未来」、Bは「未来→過去→現在」。つまり、最初の一言目が現在か未来か、で最強か最弱かの分かれ道になるという。
本書によれば、自己紹介とは相手に期待してもらうためのコミュニケーション。そして、自分の名前・所属・職業といった“現在”の情報を伝えるのではなく、自分が仕事を通してどんなことができるのかという“未来”について語ることで、「この人に仕事を任せてみようかな」「お願いしてみようかな」という期待が生まれるのだ。要するに、上の例の最強の自己紹介はBとなる。
また、Bの過去の部分で「10年間で1万人以上」という具体的な数字を加えることで、説得力UP。さらに、最後の現在の箇所で「肩を診させてもらえませんか?」と相手に語りかけている。この一言があるだけで、その後の会話がスムーズに展開できる余白が生まれているのだ。
細かい心遣いと思うかもしれない。しかし、この形だけでもイメージして行う自己紹介と、行き当たりばったりの自己紹介では、人を惹き付ける魅力は雲泥の差となるだろう。アナタも最強の自己紹介を参考に、オリジナルの自己紹介文を考えてみてほしい。
そうはいっても「自分が仕事を通して相手にできることなんて思い浮かばない」「ここまで言い切れる自分の強みって何だろう?」と思考停止してしまう人も多いはず。
そんなアナタには本書に掲載されている“自分を知るための7つ道具”という章をぜひ参考にしていただきたい。また、自己紹介が令和時代に必要となる理由についてもっと深く知りたいという方も、本書に詳しく書かれているのでチェックしてみてはいかがだろうか。
文=冴島友貴