「こんなに悲惨な歴史があったなんて…」 『凍りの掌 シベリア抑留記』を題材にしたドラマが木村多江主演で放送決定

エンタメ

公開日:2019/6/30

img01
『新装版 凍りの掌 シベリア抑留記』(おざわゆき/講談社)

 おざわゆきの漫画『凍りの掌 シベリア抑留記』を題材にしたドラマ「お父さんと私の“シベリア抑留”―『凍りの掌』が描く戦争―」の制作が決定。主演は木村多江が務めることも明かされ、「あの壮絶な物語がどう表現されるのか気になる」と注目を集めている。

 題材に選ばれた漫画は、おざわが父の実体験を元に手がけた作品。おざわの父は第2次世界大戦の終戦後、19歳でシベリア抑留を経験した。シベリア抑留とは、終戦後に日本兵がソ連領内各地の収容所に送られた時のこと。収容所で日本人は、過酷な環境下の強制労働を強いられたという。

 漫画に描かれているのは、おざわの父・昌一が語った収容所での出来事。読者からは「戦争が終わった後もこんなに悲惨な歴史があったなんて…」「底知れぬ絶望感に打ちのめされた」「読み進めていくうちに心の奥から絶望感が湧いてくる」といった声が上がり、日本漫画家協会賞コミック部門大賞や文化庁メディア芸術祭漫画部門新人賞を受賞している。

advertisement

 ドラマはおざわが父のことを漫画にしようと思い立つところから始まり、ドラマパートと漫画パートを織り交ぜた構成で進行。昌一が語る当時の記憶だけでなく、それを描くおざわの苦悩にも焦点を当てたストーリーとなるようだ。父・昌一を古谷一行、おざわの夫・博光を小手伸也が演じ、漫画パートでは声優の小野賢章が昌一の声を担当する。

 木村はおざわを演じるにあたって、「演じながら怖くなったり、心が凍るような気持ちになったりして、シベリア抑留を体感していきたい」とコメント。「平和というものを改めて実感できる番組にできたらいいなとも思っています」と意気込みも語っている。

「今の時代だからこそ見るべき作品」「古谷さんと小野さんの演技に期待してる」「意義のあるドラマになってほしい」と、期待の声が数多く寄せられているドラマ化。放送日は2019年8月10日(土)に決定しているので、見逃さないようにチェックしておこう。

■ドラマ×マンガ「お父さんと私の“シベリア抑留”―『凍りの掌』が描く戦争―」
放送日:2019年8月10日(土)
原作:おざわゆき
出演:木村多江、古谷一行、小手伸也、小野賢章