ダイエットに必要なのはずばりショックを受けること! ダイエットコーチ EICOさんが教える心のコントロール術
更新日:2019/7/17
「20代の頃の体型を取り戻したい」と願う、30歳以上の女性も多いはず。でも「ヤセなきゃ」と言い続けて、気づけば何年も経っていた…なんてことはありませんか? 失敗続きのダイエット、もしかしたらその原因は、“決意の弱さ”かもしれません。「人はショックを受けた時に変わろうとする」そう話すのは、『EICO式 自分で自分を「追い込み」ダイエット』(ぴあ)の著者で、これまで700人以上を指導してきた、ダイエットコーチ EICOさん。
スラッと伸びた美脚が印象的なEICOさんですが、元々は食べることが大好きで、大学生の頃には体重が72キロあったそう。「脚がゾウみたい」と言われショックを受けたことをきっかけに、1年間で20キロのダイエットに成功しました。しかし、妊娠出産を経て再び23キロ増量。今まさに、自身の著書を読み込み、産後ダイエット中とのこと。取材日の時点で17キロ減量したそうです。
今回はそんなEICOさんに、ダイエットを成功に導くメンタルコントロールのコツを教えていただきました。経験を基にした、今すぐ実践できるアドバイスは必見です!
■正しいダイエットは幸せにつながる
――『EICO式 自分で自分を「追い込み」ダイエット』を書かれた理由を教えてください。
EICOさん(以下、EICO):自分が30代になって、20代と30代以降のダイエットではモチベーションがまったく違うことに気づいたんです。20代の場合は、モテたいとか、彼氏のためにとか、こんな服が着たいとか目的があってダイエットする方が多いんですけど、30代になって結婚したり、仕事が忙しくなってきたりすると、水着を着る機会もなかなかないですし、「どうやってモチベーションを上げていくんだろう」と思ったのがスタートでした。「ショックをやる気に変える」というのは私もずっとやっていましたし、マンツーマンレッスンでも生徒さんに指導していることだったので、それを本にしました。
――EICOさんがこれまでご指導された生徒さんで、一番変化があった方はどれくらい減量されたのでしょうか?
EICO:約1年半で27キロ減量された、40代の方がいらっしゃいました。その方の話で印象的だったのが、レッスンに来ていない旦那さんもヤセたんですよ。奥さんが食事をコントロールしたり、おそろいのスニーカーを買って運動したりした結果、旦那さんも18キロヤセたそうで。夫婦仲もすごく良くなったとおっしゃっていました。
――ダイエットで夫婦仲も良くなるとは、素敵なエピソードですね。
EICO:正しいダイエットは幸せにつながるはずです。特に30代以降の場合、健康で長生きすることがダイエットの目的になってくるんですよね。自分の足で歩いて、死ぬまで好きなものを食べるためにダイエットをするということも、この本のテーマの1つです。
■ショックをやる気に! 自分を効果的に追い込む方法
――「ショックをやる気に変える」ためには、具体的にどのようなことをすれば良いのでしょうか?
EICO:「なかなかダイエットが続かない」「モチベーションがない」と言っている人の多くは、不自由がないんですよ。ドアから出られないぐらい太っている人って、なかなかいないじゃないですか。今の生活で困っていないから、「まぁいいか」ってなってしまうんですよ。そこでどうすればいいかと言うと、自分で自分にショックを与えるんです。人ってショックを受けたら、変わろうとするんですよ。でも、誰かからショックを与えられるのを待っていたら、いつになるかわからないので、『EICO式 自分で自分を「追い込み」ダイエット』では、自分で自分をダイエットせざるを得ない状況に追い込む方法を紹介しています。
そのためには、何気ない写真を撮ってもらうんです。後ろ姿とか、ソファでくつろいでいる時の写真とか。服装はなるべくパジャマとかの方が良いですね。自分が食べたものの写真を撮るのもおすすめです。お菓子だけとか、食べた後のゴミでも良いので。写真を撮り続けていくと、「私こんなに食べていたんだ」と気づいて、ショックを受けるはずです。
――ダイエットを継続していくためには、どのようなことに気をつけると良いのでしょうか?
EICO:一番大事なのは10年後。10年後に続いているか考えた上で、方法を選ぶことをおすすめします。女性は特に、結婚して妊娠・出産があったり、介護が始まったり、スケジュールを自分ですべて決められるとは限らないので、どこかに行ってやるというよりは、今すぐできる方法の方が続きやすいのかなと思います。
■「食」以外の趣味で自分を満たすことも大切
――ご著書の中で、細かく目標を設定して、達成できた時には自分にご褒美をあげることも大切だと書かれていました。ご褒美はどのようなものがおすすめですか?
EICO:ご褒美はなるべく、美容やファッションに関するものが良いですね。ダイエットをしたい人って、意識が食べ物に行きがちなんですよ。満たす上で一番簡単なのは食べることなので。でも、食以外で自分を満たす趣味を見つけることも、重要だと思っています。「趣味を見つけられない」という方には、小学校の時に得意だった教科で決めることをおすすめしていますね。国語が得意な人だったら読書、理科だったら星空観察や植物。算数・数学の人は数独やパズル、図工の人は手作業といったように。ダ・ヴィンチニュースの読者の方は、やっぱり本がいいんじゃないでしょうか。読みたい本のリストを作っておくとか。
私の生徒さんの中には、美術館や博物館に行くようになった方や、釣りを始めて魚がさばけるようになった方、すごい方ではマラソン大会に出た方もいました。しかもそれが、好きなことだから10年続いているんですよ。ダイエットって、頑張って頑張ってヤセて、不幸になるものではないんですよね。健康的になって、自分の視野が広がって、自分のことがもっとよくわかって、というものだと私は思っています。
■妊娠出産で23キロ増…産後ダイエット成功の秘訣
――ダイエットのプロであるEICOさんでも、妊娠出産をきっかけに太ってしまったそうですね。
EICO:23キロ太ったんですよ。めちゃくちゃヤバかったです(笑)。マックスで太っていた時に、友人と駅で会ったんですけど、「あまりにも脚が太すぎてEICOちゃんじゃないと思った」って言われて。その言葉がショックで、そこからヤセようと思いました。あの時はヒップが126cmぐらいあって、立ち上がろうとしたら椅子にお尻がハマっちゃって、椅子ごと上がってきちゃったことも(笑)。出産後、ケーキを1日に4個食べたりしていたんですよ。つわりがひどい時は食べられなかったので、終わった時に「やったー!」と思って。「恥骨離開」と言って、恥骨が外れて歩けなくなってしまったことも原因の1つだったんですけど、23キロ太るとは自分でもびっくり。私は太るんですよ。放っておくと「追い込みダイエット」の逆を全部やってしまうんですよね。
――その状態から今の体型まで、どうやって体重を落とされたのですか?
EICO:今のところ食事制限はしていません。「栄養バランスを整える」という意識でやっています。気をつけているのは、野菜とタンパク質をしっかりとることですね。運動はどこまでも歩いて行っていますよ。例えばカフェに行きたいんだったら、あえて駅から遠いお店を選択して、歩く距離を増やす工夫をしています。あとはベビーカーよりも抱っこ紐を使うことの方が多いですね。重くて大変なんですけど、その分運動になるので。本で紹介している「つまずき回避テク」も自分でめちゃくちゃ読み込んでいます。
――今、EICOさんご自身はどのようなことをモチベーションにしているのですか?
EICO:太っていると体が重くて動かないので、子供が3歳ぐらいになって走り出した時に、追いかけられる体でいたいと思っています。あとは、子供の運動会に出て、ママさんリレーで1番をとりたくて。今はそういうことを目標にしていますね。「追い込む」という意味では、8月に母校で講演会があって、200人以上集まるんです。70キロぐらいあった時に依頼が来たから最初は断ろうと思ったんですけど、追い込むために受けようと思って。皆さんも誘われた時に断らないのは大事かもしれないですね。
――最後に読者に向けて、メッセージをお願いします。
EICO:ダイエットが成功してスタイルが良くなったら、世界が開けるのはもちろんのこと、それを自信にしてステップアップができるかもしれないって思うんですよね。私の生徒さんも卒業後に夢を叶えている人が多いです。ダイエットは目的じゃなくて、あくまでも方法の1つ。10年後も続けるために、できるだけ楽しく自分を追い込んでいくのがいいのかなと思いますね。今回お話しした内容を少しでもいいなと思っていただけたら、ぜひ本を読んでいただけたらうれしいです。具体的なことがたくさん書いてありますし、自分が本に合わせるのではなく、1人1人に合わせていくタイプのダイエット本なので、続けやすいと思います。
取材・文=水野梨香