わらわら登ってくるヤギたちに実を食べられまくり「せめて種を吐き捨てないで…」/『だれかに話したくなる あやしい植物図鑑』②
公開日:2019/7/20
動物たちだけでなく、「植物」の世界も、あやしい魅力にあふれています。『だれかに話したくなる あやしい植物図鑑』(菅原久夫:監修、白井匠:絵、クリハラタカシ:マンガ/ダイヤモンド社)から、植物のおもしろネタをイラストとマンガで紹介します。
■アルガンツリーはヤギまみれ
モロッコのサハラ砂漠では雨がほとんど降らず、夏の気温は50℃をこえます。そんな過酷な環境で、アルガンツリーは暑さに強くなることで生き残りに成功しました。
ところが、予想外のできごとが起こります。ヤギがわらわらと木に登ってきたのです。動物にとって、木になっている実は、のどをうるおす貴重な食べ物。幹はねじれ枝にはトゲがありますが、ヤギの情熱は止められません。ムシャムシャ実を食べたあげく、種を「ペッ」と地面に吐き捨てます。
ですが、悪いことばかりではありません。木の下に落ちたヤギのうんこは貴重な肥料となり、アルガンツリーを大きく育てるのです。
植物データ
名前 アルガンノキ(アカテツ科)
分布 モロッコ南部
大きさ 高さ8〜10m
メモ 近年、数が減り絶滅が心配されている
菅原久夫(すがわら・ひさお)
横浜国立大学卒業。中学高校、短大で教鞭をとる傍ら、世界各地をめぐり植物の生態調査研究も行う。その後常葉大学の非常勤講師、SBS学苑の講師を歴任。他に、静岡新聞主催のカルチャースクールでも複数の講座を持つ。
著書に「色別 野の花図鑑」(小学館)、しずおかの文化新書「植物の富士登山」(共著、静岡県文化財団)、「富士山にのぼる」、「たべられる きのみ」、「くず つるしょくぶつのひみつ」、「まつぼっくり」(いずれも福音館書店)などがある。
白井匠(しらい・たくみ)
イラストレーター。ビジネス書から児童書まで、幅広いジャンルでヒット作を手がける。『職場の問題地図』シリーズ(技術評論社)や、『日本一楽しいカタカナドリル うんこカタカナドリル』(文響社)など。
クリハラタカシ
マンガ、イラスト、絵本、アニメーションなど多岐にわたり活躍。『ツノ病』(青林工藝舎)や、『たんぽぽふうたろうと7ふしぎ』など。