わらわら登ってくるヤギたちに実を食べられまくり「せめて種を吐き捨てないで…」/『だれかに話したくなる あやしい植物図鑑』②

エンタメ

公開日:2019/7/20

■ソアマウスブッシュは、まるでセクシーな唇

『だれかに話したくなる あやしい植物図鑑』(白井匠:イラスト/ダイヤモンド社)

 小説家の夏目漱石は、「I love you」を「月がきれいですね」と訳したといわれていますが、妻のメイクが濃すぎることを伝えたい夫は、「あなたの唇はソアマウスブッシュのようですね」と言うのもいいかもしれません。

 ソアマウスブッシュは、南米のアマゾンに生える、真っ赤な口紅をぬった唇のような植物。唇に見えるのは、花ではなく、つぼみを包んで守る「苞」と言う部分です。

 苞のすき間から小さくかわいい花が出てくるのですが、その後に青黒い実がボコボコと出てきて、一気にエイリアン誕生の瞬間っぽくなります。ちなみに花は、頭痛を治す薬にもなるそうです。

植物データ

名前 ソアマウスブッシュ(アカネ科)

分布 中南米の熱帯

大きさ 苞の幅約3cm

メモ 「ソアマウス」とは英語で「口内炎」と言う意味

<次回は、血まみれで痛そうな植物です!>

著者について
菅原久夫(すがわら・ひさお)
横浜国立大学卒業。中学高校、短大で教鞭をとる傍ら、世界各地をめぐり植物の生態調査研究も行う。その後常葉大学の非常勤講師、SBS学苑の講師を歴任。他に、静岡新聞主催のカルチャースクールでも複数の講座を持つ。
著書に「色別 野の花図鑑」(小学館)、しずおかの文化新書「植物の富士登山」(共著、静岡県文化財団)、「富士山にのぼる」、「たべられる きのみ」、「くず つるしょくぶつのひみつ」、「まつぼっくり」(いずれも福音館書店)などがある。

白井匠(しらい・たくみ)
イラストレーター。ビジネス書から児童書まで、幅広いジャンルでヒット作を手がける。『職場の問題地図』シリーズ(技術評論社)や、『日本一楽しいカタカナドリル うんこカタカナドリル』(文響社)など。

クリハラタカシ
マンガ、イラスト、絵本、アニメーションなど多岐にわたり活躍。『ツノ病』(青林工藝舎)や、『たんぽぽふうたろうと7ふしぎ』など。