強い紫外線で“心バテ”しやすい8月は「さば缶・カレーパウダー・オイル」がいい!【やってみた】

暮らし

更新日:2019/8/1

『1週間に1つずつ 心がバテない食薬習慣』(大久保愛/ディスカヴァー・トゥエンティワン)

 関東地方は長かった梅雨が明け、夏本番に突入。晴れの日が続くのは嬉しいけれど、肌を突き刺すような紫外線、溶けてしまいそうなほどの気温、かと思えば効きすぎている冷房…という環境によって、8月は自律神経が乱れやすく、心身ともに疲れ、夏バテ、さらには心バテが深刻化しやすい時期でもあります。

 そんなときには『1週間に1つずつ 心がバテない食薬習慣』(大久保愛/ディスカヴァー・トゥエンティワン)がおすすめです。本書は、年間2000人以上の悩みに答えてきた日本初の国際中医美容師・薬剤師・漢方カウンセラーである著者が、その季節特有の心バテ症状に合わせたシンプルで簡単な「食薬プログラム」を紹介しています。

 どれも難しい調理は必要なく、コンビニなどで手軽に準備できるものもあったりするので簡単に生活に取り組むことができます。そこで、8月1週目、2週目におすすめしたい食材3つを紹介します。

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(1)<8月1~7日>暑さで消耗した気力を補う「青魚」(P.177)

 暑くて外にいるだけで体力を奪われてしまうような日が続いている一方で、一歩建物の中に入ると冷房がキンキンに効いていて、外と室内の温度差に体がついていくのが大変だったりしませんか?

 こうなると、体だけでなく心も疲れ、くよくよと考えすぎて小さなことが気になり、寝つきが悪くなったりして非常に“気力”を消耗してしまいます。そんなときには、サバ、アジ、イワシといった“青魚”を取り入れるといいんだとか。

 青魚には、全身の細胞膜を修復し炎症を抑え、暑さで消耗した気力を補ってくれる働きがあります。また、ビタミンB群やタンパク質、鉄も豊富に含まれているので、心の栄養を補ってくれる効果もあります。

 ただ、この暑い中、家で魚を調理するのはなかなか大変ですよね。そんなときには、さば缶などの缶詰がかなり重宝します。そのまま調理に使えるだけでなく、最近では様々な味のバリエーションも増えているので、「今日はどの味付けにしようかな?」と、選ぶ楽しさを感じながら1週間飽きずに続けることができますよ。

(2)<8月1~7日>気のめぐりを改善する「カレーパウダー」(P.177)

 同じ週に(1)のさば缶と合わせて食べたいのが「カレーパウダー」です。カレーパウダーには、ターメリック、クミン、ナツメグ、フェンネル、サフラン、カルダモン、チリパウダー、シナモンといったスパイスから、最低でも5種類以上のスパイスが配合されています。

 中でもクローブ、コリアンダー、ターメリック、シナモンなどはほとんどのカレーパウダーに配合されていて、冷房による冷えをやわらげ、ストレスにより悪化した気のめぐりを改善する働きがあります。確かにスパイスが効いたカレーを食べると、体の中からホカホカして温まりますよね。

 ちなみに、カレーを作るときには便利なルーを使う人が多いと思いますが、ルーには脂分が多く含まれているため、パウダーの方がヘルシーになります。カレーパウダー、さば缶、トマト、味噌を使って味を調整してルーを作ると、市販のルーでは味わえない奥深い美味しいカレーができますよ。

(3)<8月8~14日>ぴりぴりとした神経をしずめる「えごま油」(P.179)

 この時期はお盆と重なり、会社が夏休みの人も多いのではないでしょうか? 容赦のない暑さからのストレスに加えて、帰省や旅行など、移動による環境変化からのストレスも加わって、ピリピリと神経過敏になりやすくなることがあります。こんなときには、脳をはじめとした細胞を守り、神経過敏になった心を修復してくれるオメガ3脂肪酸を含む油、例えば「えごま油」や「あまに油」を摂ることをおすすめします。

 これらは、サラダ油などとは異なり、加熱すると酸化してしまうので、食事にそのままかけたり、塩やレモン汁と混ぜて作ったドレッシングとして使うと手軽に取り入れることができますよ。あまりなじみがないかもしれませんが、クセがないので何にでも気軽に使うことができる油です。ちなみにこの油と合わせて摂りたい食材としては、強い紫外線によって生まれた活性酸素を除去するビタミンEを多く含むタラコ、イクラ、カズノコなどの魚卵がおすすめなんだとか。先ほどのえごま油と魚卵をなじませると食材と和えやすくなり、より料理に取り入れやすくなりますよ。

 本書では、今回紹介したようなその期間に摂りたい食材だけでなく、逆に心を乱す炎症を起こす食材(チョコレート・ケーキ・パン・うどん・コーヒー・スポーツドリンク・サラダ油・スナック菓子・唐揚げなど)、心によい栄養素を含む調味料の選び方、心掛けたい食べ方なども紹介されていて、1年を通して心バテしない食事習慣を教えてくれます。

自分自身が置かれている状況をきちんと把握して、心バテ知らずの体づくりを

 気持ちが落ち込んだりしたときはあまり食欲がわかず、何も食べずに過ごすことがあるかもしれません。でも食事をすることで苦しい気持ちが紛れたりして、実は「食べる」という行為自体が非常に重要だったりします。そこでどうせ食べるのなら、より体や心にとって良いものを摂りたくありませんか?「心の不調を感じるときは、これを食べない方がいい」「この季節にはこうなりやすいから気をつけよう」など、その時々の環境と照らし合わせながら自分に合った食材を選ぶようにすることで、きっと今よりも不調が起こりづらい体になっていくはずですよ。

文=JUNKO