夏バテを追い払う簡単おかゆを紹介! /『体をおいしくととのえる! 食べる漢方』④

健康・美容

公開日:2019/8/4

『体をおいしくととのえる! 食べる漢方』(櫻井大典/マガジンハウス)

「漢方ってこんなに簡単だったの!?」
知らなかった食材の力で、今夏の酷暑による体の不調をととのえてみませんか?
毎日の食事で簡単に対策できる食材選びやレシピを『体をおいしくととのえる! 食べる漢方』(櫻井大典/マガジンハウス)からご紹介します。

こりには血流をよくする小松菜を!

 肩こりの原因は血行不良。そのもととなるのがストレスや疲労、目の疲れ、偏食や暴飲暴食、冷えなどです。

 ストレスや疲労がたまると、エネルギーのめぐりが悪くなるので、血流も同時に悪化します。目を使いすぎると血(けつ)を
消耗し、血流障害に。偏食や暴飲暴食をすると体内に不要物がたまり、血がドロドロになって流れにくくなります。冷えると筋肉が収縮して血流も悪化。水分代謝が悪く、余分な水分がたまって冷え、こりを感じることも。

 小松菜にはドロドロと悪くなった血をきれいにする力があります。沸騰したお湯に小松菜を入れてさっとゆで、水気を絞り、かつお節をたっぷりかけておひたしでいただきます。醤油は塩分が高いので控えてください。

肩をぐるぐる回すだけでこりを未然に防ぐ

デスクワークなどでずっと同じ姿勢でいると、筋肉が緊張状態になり、血管が収縮して血行が悪くなります。1時間に1回くらいは深呼吸して肩を回したり、大きく伸びをして、滞った血流をよくしましょう。

小豆の力で体内の水分を正常に整える

 午後になると靴がパンパンできつくなる、朝起きると顔がパンパンなどと、むくみに悩む女性は多いですね。

 むくみは、体の中の水分調節がうまくいかなくなって起こるもの。水分や冷たいもののとりすぎは体内の水分調節機能を低下させます。まずはこれらを控えることが肝心。そして、利尿作用のあるものをとるようにしましょう。

 小豆は利尿作用が高く、不要物を排出させる、むくみにはうってつけの食材。「小豆汁」にしてとりましょう。むくみやすいけれど、薬はあまり使いたくないという妊婦さんにもおすすめです。

 小豆50gを軽く水で洗い、鍋に水1ℓと一緒に入れて強火にかけます。沸騰したら弱火にして15~20分煮ます。1回150㎖くらいを1日2回飲んでください。保存は冷蔵庫で、2日以内に飲みきりましょう。

脾・胃の働きを助ける食材も、むくみに◎

胃腸の働きを担う脾・胃が体内の水分代謝を行っていると中医学では考えます。そのため、脾・胃の働きを助ける食材をとるのもむくみ対策になります。米、ナッツ、山いも、かぼちゃ、キャベツなどがおすすめです。
また、唐辛子やしょうがなどの辛いものを食べ、汗をかいて余分な水分を発散させるのもいいでしょう。

暑いからこそ温かいおかゆが体を内側から整える

 夏は暑さで、体を守る防衛力が低下します。外の風にあたって「暑邪(しょじゃ)」が体内に入り込んで、夏カゼをひいてだるくなったり、頭痛を引き起こしたりします。また、冷たいものをとりすぎて脾・胃が弱り、食欲がなくなったりも。しっかりとエネルギーを補給して、脾・胃の負担にならないものを食べましょう。

 夏バテに最適なのはおかゆと梅干しです。ミネラルとエネルギーと失いがちな水分を同時に補えます。米1/2合に対して水は600㎖が目安。土鍋に研いだ米と水を入れて沸騰させます。沸騰したら弱火にして20~30分、途中3~4回しゃもじで底を混ぜてください。水気が飛んでとろみがついてきたら、味見をして好みのかたさになったらできあがり。梅干しの酸味は食欲増進作用も。お米からつくったおかゆのおいしさは格別です。一度食べたらハマりますよ。

適度に汗をかくことも必要

暑いからといってクーラーのきいた部屋にばかりいては、汗をかけず、熱が発散されないで体内にこもり、体力が低下して夏バテにつながります。夏は適度に汗をかくことも重要です。朝方や夕方の少し涼しい時間帯に散歩をしたり、シャワーだけですませずしっかりと湯船につかって、適度に汗をかきましょう。

【次回に続きます(明日は二日酔いに効くスープを紹介!)】