じつは美人でなかったクレオパトラ、スピにハマって●●を飲む秦の始皇帝…『東大名誉教授がおしえる やばい世界史』がおもしろい
更新日:2019/8/6
“偉人を見る目が変わる!”と子どもから歴史好き、さらにはサブカル好きと幅広い層の支持を得て、発刊から1年で27万部を売り上げた『東大教授がおしえる やばい日本史』。この第2弾となる待望の世界史版『東大名誉教授がおしえる やばい世界史』(ダイヤモンド社)が7月18日に発売された。
本書には誰もがよく知る偉人たちの「すごい」と「やばい」がセットで掲載されている。例えば多くの国民に支持され、フランス皇帝としてヨーロッパ統一を目指したナポレオン。田舎の貧乏貴族として生まれ、わずか26歳の若さで軍の最高司令官となり、35歳でフランス皇帝までのぼり詰めた彼の功績は世界中から讃えられている。しかし、そんな偉人もやはり人間。戦地へ遠征中に妻に浮気されていたことを知り、それを悲しむ手紙を兄に送ったところ、敵のイギリス軍に見つかって新聞にスクープされてしまい、大恥をかいたことがあるというのだ。(詳しくは→ 妻の浮気を悲しむ手紙が新聞に掲載されてしまった軍人といえば?)
ほかにも「無知の知」を唱えた哲学者ソクラテスがおしゃべりばかりで働かずに妻から水をぶっかけられていた、絶対王政で権力をふるいヴェルサイユ宮殿を建てたルイ14世が実はおまるにまたがりながら命令を出していた、頭脳明晰なイケメンで巨大な世界帝国を築いたアレクサンドロス大王が親友の太ももに夢中で怒られた…などなど。歴史の教科書では教えてくれないなんとも人間味あふれる偉人たちのおもしろネタは、知れば知るほど親近感が湧いてくる。
監修は多くの著書を執筆している東京大学名誉教授の本村凌二氏。イラストは和田ラヂヲ氏が担当。各章の冒頭にその時代の出来事をざっくりまとめたマップや漫画も掲載されているので、世界史の知識がなくても時代の流れや地理関係がちゃんと頭に入ってくるのもタメになる。
登場人物は中国の始皇帝からコンピュータの生みの親・スティーブ・ジョブズといった近代の人物まで多種多様。これまで世界史に興味が持てなかったという人にこそ、おすすめしたい1冊だ。
文=齋藤久美子