食べ歩きも、美味しいものを作るのも大好きなイラストレーターの奥田けいさん。気がつけば10キロ太ってしまったことがきっかけで作ったダイエットレシピをまとめた『月たった2万円のダイエットふたりごはん』（KADOKAWA）が好評発売中だ。

――本書はひと月30日分の3食（計90食）が掲載されていますが、このレシピ通りに食べればいいということですか？

　もちろん、本の通りに食べてもらってもいいのですが、体調を鑑みてアレンジをしてもらっても大丈夫です。私がダイエットを決心して一番大変だったことは、朝昼晩すべてのレシピを考えることでした。

　健康に良いレシピを考えて、作って…、としているうちにお腹が減って何かつまみ食いをしたり、ついコンビニで美味しそうなものを買ってしまってダイエットを挫折しそうになったことが何度もありました。

　それに本屋さんにあるダイエットレシピは夜ご飯のレシピだけが掲載されていて、朝と昼のメニューが記載されていないものが多いんです。そうすると、「じゃあ、朝や昼は何を食べればいいの？」って悩むことも実際あったので、私の本では1日3食紹介しようと決めました。

――このレシピを参考に食事以外に心がけたことはありますか？

　ダイエットを始めた最初の1カ月は間食は避けました。

　最初に目に見える変化があれば、ダイエットもさらにやる気になる気がしたので。それからジムに行ったり、走ったりすることはありませんでしたが、駅まで歩いたりする時はいつもよりかなり早めに大股で歩くことを意識しました。でも、ダイエットに一番効果的だったのは美味しそうな商品が置いてあるデパ地下やコンビニに目的もなく行かないことかもしれません（笑）。お店に入ると手ブラで出てくるのは難しいですもんね、魅力的なスイーツとかたくさんありますし…。

――ダイエットというとかなりストイックに生活しなくてはいけないイメージでしたが、この『月たった2万円のダイエットふたりごはん』なら気軽に挑戦できそうな気がします。しかも、
・「楽」（調理工程が少ない／火を使わない）
・「早」（調理時間15分程度）
・「安」（2人分1食100円代のメニュー）
と、どのレシピも簡単そうで、ダイエット目的でない人も活用できそうですね。

　はい。実は私、ズボラなんです（笑）。

　葉もの野菜も包丁で切らずに手でちぎったりするタイプなので…。だから使用する調理器具も極力少なくして、洗いものを減らしました。例えば遅くに帰ってきて疲れている方でも、この本のレシピを活用してもらえば帰宅後、約15分で手作りごはんが食べられますし、子育て中の忙しいお母さんももう1品食卓に加えたい時に手軽に作ってもらえると思います。

――ダイエット目的で本を活用したあとも、「時短・簡単レシピ」として使っていただける一石二鳥の本ですね。

　はい。ぜひそうやって、ずっと家庭で役立つ1冊になれたらうれしいですね。

＜ダイエット中でもお腹大満足の丼＆麺レシピ＞

■アボカド豆腐丼（2人分合計188円）

＜材料＞
豆腐…300g
（A）
　ポン酢…大さじ2
　マヨネーズ…小さじ1
　ごま油…数滴
　塩…１つまみ
アボカド…1個
大葉…4枚
ごはん…300g

＜作り方＞
①豆腐を手で崩し、塩をふってレンジで1〜2分チンして、水切りをする。
②（A）を混ぜておく。
③ごはんの上に1口大に切ったアボカドと①をのせる。
④③に②をかけて、千切りした大葉をふりかけてごはんにのせて完成。

■切り干し大根の冷やし中華風（2人分合計199円）

＜材料＞
切り干し大根…45g
（A）
　麺つゆ…大さじ4
　酢…大さじ2
　ごま油…少々
（B）
　卵…2個
　サラダ油…小さじ1
大葉…4枚
ベーコン…40g

＜作り方＞
①切り干し大根をお湯で戻しておく。
②(A)を合わせレンジで30〜40秒チンしておく。
③(B)でいり卵を作っておき、大葉とベーコンは千切りにしておく。
④水気をとった①の上に③をのせ、最後に②かけて完成。

取材・文＝知野美紀子（SUPER MIX）　撮影＝内海裕之