あがりやすい、ビビリ、テンパる…あなたの緊張はどのタイプ? /『人前で変に緊張しなくなるすごい方法』①

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公開日:2019/8/30

 このメソッドは、演技理論の『スタニスラフスキー・システム』をベースに、緊張に悩んでいた私が考案した方法です。

『スタニスラフスキー・システム』とは、旧ソ連の俳優にして演出家、演技教師であるコンスタンチン・スタニスラフスキー(1863~1938年)が提唱した演技理論のことで、俳優の職業病ともいえる「緊張」のとり方についてもふれられていました。

「これだ!」と思った私は、『スタニスラフスキー・システム』を徹底的に学び、緊張をとることについての理解を深め、自ら実践していきました。
 そしてついに、私は舞台上で、緊張せずに堂々と演技ができるようになったのです。

「伊藤式・緊張撃退メソッド」は、これまで3万人の俳優や俳優志望者の緊張をとることに成功してきました。
昨今では、その効果が広く知られ、ビジネスパーソンや主婦、学生など、一般の方々も生活に取り入れ始めています。

■私たちの共通の“敵”、緊張とは何者か?

「伊藤式・緊張撃退メソッド」のやり方は後ほど詳しく紹介します。

 その前に、私たちの〝敵〞、緊張とは何者かを知っておきましょう。

医学的には、脳内ホルモンの一種であるノルアドレナリンが過剰に分泌されることで、自律神経のバランスが崩れてしまった状態をいいます。

 その結果、心拍数が上がり、胸はドキドキし(動悸)、手足や声は震え、冷や汗が出たり、顔が火照(ほて)ったり(赤面)するといった、さまざまな症状がもたらされます。

 あらわれる症状や感じ方は人それぞれです。

私は「あがり」や「テンパり」だけが緊張ではないと捉えています。人前に出るのが怖いといった「不安」や「ビビリ」も、緊張から生じる症状でしょう。

 共通していえることは、「素す の自分」に比べて、情緒不安定で、心は萎縮し、判断能力にも著しく欠けている状態。

 よく一流のスポーツ選手や俳優は、「緊張しているからこそ実力を発揮できる」といった話を聞きます。言葉の定義の問題ですが、一流の人たちの「緊張」とは、どちらかというと「集中」といったほうが適切でしょう。最近では「ゾーン」という言葉も使われています。

 こういった話を根拠に「緊張を力に変える」といったことを提唱する人もいますが、そんなこと凡人である我々にはできません。というか、目指すところでもないでしょう。

緊張していること自体がつらい。そこから楽になりたい。「伊藤式・緊張撃退メソッド」は、そのための方法なのです。

「伊藤式・緊張撃退メソッド」は、「素の自分」から「別の自分」に自動的に切り替えてしまう(役に入る)ことで、「緊張しない自分」になることができます。

つまり、別人になってしまえば緊張しない、というわけです。

 そんなこと演技などしたことのない私にはできない、と思うかもしれません。
 大丈夫です。誰でもできます。
 このメソッドのベースは、演劇の役者さんが別人を演じるために行っている方法。

性格そのものは変えられなくても、本番前にこのメソッドを行えば、あなたはその瞬間だけは、別人になれます。人前で話すのも、会議に出るのも怖くないあなたになれるのです。

 すると、動悸や赤面の症状が出ている人は冷静さを取り戻し、不安で心が萎縮している人には逃げ出さない勇気が芽生えてきます。
 人前で話すのは、「なにも怖いことはない」ことに気づけるのです。

 世の中には「これで緊張がとれる」とばかりに、「目的に向かって集中しよう」「誰もが緊張すると思え」などと気休めのようなことで、「内面(メンタル・心)」を直接操作しようとする方法があります。

でも、メンタルは自分の意志で操作できるものではありません。

 そんなことができたら、この世の誰もが一流の俳優じゃないですか。
 メンタルを直接どうにかしようとすると、緊張の泥沼にはまるだけ。
 では、どうすればいいのか?

考えるより先に行動すること。たとえ気分がともなっていなくとも、そう見えるように体を動かしたり、声を出したりすることで、心は勝手にその動きや言葉が示す状態に誘導されていきます。

 落ち込んで下を向いているときに、鼻歌まじりに上を向いて歩いてみたら、それだけで気持ちが楽になったことはありませんか?
 これが、考えるより先に行動するということです。

「伊藤式・緊張撃退メソッド」は、思考をいったん停止し、「緊張している人が絶対しない行動」によって、心を楽しませます。
 すると、心は勝手に「緊張」から「楽しい」に誘導されていくのです。

緊張しているとき、人は楽しくありません。その逆で、楽しいとき、人は緊張していないのです。

 では、次ページより、具体的なやり方を紹介していきましょう!

【次回につづく】