【地獄】うつ病と生理が同時に来ちゃった。/『マンガでわかるうつ病のリアル⑥』
更新日:2019/8/26
重度のうつ病に5年以上苦しむも「メンヘラマッスル作家」として奇跡の復活を遂げた錦山まるが、あなたの知らないうつ病のリアルを教えます!
うつ病×生理は負のコンボ
「女の子の日」という名の地獄がある。
「アレって何だ?」と思った男性の皆さま。「アレ」とは生理用ナプキンのことです。
ナプキンやタンポンなどの生理用品をいやらしいモノと思っている人もいるらしいですが、生理用品は女性にとって生活必需品。切らしてしまうと支障なく日常生活を送るのはまず無理です。
周りの女性の多くがほぼ毎月経験している実は身近な問題なのに、男性には決して理解できない「生理」。
生理の大変さは男性の想像の遥か上を行きます。
内臓を“雑巾絞り”されるような痛みが出る。楽しい事ばかりだったのに急に死にたくなるくらい落ち込む。便意こそないが、下痢でトイレに駆け込む直前のお腹がキューっとする状態が何時間も続く。…など、個人差はあれど重い病気のような大変な事が幾つも起きるのに、軽視している男性や生理の軽い女性から「たかが生理で…」なんて心ない言葉を向けられたりもする。
再び主張。うつ病で体を動かせなくなる事もあるんだ。
話は変わりますが、この連載の第2回や第3回で述べたように、うつ病には気分の落ち込みだけではなく身体症状もあります。
酷いだるさで布団から出る事さえ出来なくなる。トイレに行く気力も無いので何時間も我慢し、限界が来たら僅かな気力を振り絞り這って行く。お風呂の準備をする気力も体を洗う力も無くなり何日もお風呂に入れなくなる…なんて事もあります。
いまいちピンと来ない人は「身動きが取れないレベルのインフルエンザから咳だけ無くしたような状態がずっと続いている」と想像していただくと分かりやすいかもしれません。そんな状態では、いつもは当たり前にやっている行動さえ全く出来なくなりますし、まして気合や根性では対処のしようがありませんよね。
うつ病×生理、それは想像を絶する阿鼻叫喚。
では、そんなうつ病の症状に、前述の生理の地獄が加わったらどうなるのでしょう? こちらの都合などお構いなしに、体調の特大ダメージが突然2つ同時に来たら…?
想像するのもつらい話ですが、お風呂で体を洗ったりトイレに行ってナプキンを替えたりすることも出来ず、経血が蒸れて陰部が痒くなり臭いも酷くなり、ナプキンの容量の限界を超えて経血が漏れて布団が汚れ、布団まで臭くなり余計に気が滅入ってしまう。少しでもどうにかしたくて生理の薬を飲みたくても、うつ病の薬との相性で飲めず、耐えるしかない…という、かける言葉が思い浮かばないくらい気の毒な事態になる人もいるのです。
うつ病未経験者や、男性や、生理の軽い女性でも「よく分かんないけど、とりあえずメチャクチャ大変なんだな…」という事はお分かりいただけるのではないでしょうか?
「うつなんか…」「たかが生理で…」なんて言葉をつい向けてしまう前に、理解のしようが無い世界で苦しんでいる人もいるんだということを思い出していただけたらなと思います。
錦山まる=2009年にプロ漫画家デビュー。月刊誌で連載を持ち単行本を出すも2013年に重度のうつ病と診断され、5年近く自宅療養の日々を送る。病気が回復するにつれ、同じようにうつ病に苦しむ方を1人でも楽にしたいと著書出版やSNSによる啓蒙活動に取り組む。著書に『「うつ」は甘え?ググれカス。』『きっと元気になれるから』他
Twitter:@nishikiyamamaru
錦山まる公認bot:@marurunzmemo