勝利者はQuizKnock大学に入学! クイズプレイヤーが入試問題を早押しすると何が起きる?
公開日:2019/8/27
2020年度版が刊行された『角川パーフェクト過去問(通称、黄本)』(KADOKAWA)の問題を抜粋して使ったクイズ番組『早押し大学受験!』が、有名大学の在学生や出身者が数多く在籍するQuizKnockのメンバーによって生放送された。
パネラーは写真左から山本祥彰(早大理工学部4年)、福良拳(ふくらP/東工大出身)、須貝駿貴(東大院3年)の3人。そして司会は東大クイズ王で知られる伊沢拓司が務めた。クイズの得点はポイント制で、最高ポイントの獲得者がただ一人、「QuizKnock大学」に合格できるという流れ。合格者を予想した10名にサイン入り書籍が当たる、という視聴者参加型である。
出題されたのは、2019年度版として刊行された早稲田大学&慶應義塾大学の入試過去問題から。「これぞ早慶戦!? と割り切るのは若干“早計”だったか…」と伊沢のすべり気味ジョーク(?)も飛び出し、入試問題とは思えぬバラエティ要素満載で、全6問の過去問クイズがスタート!
■入試問題をクイズにすると何が面白い?
1問目は、ホワイトボードを使った“早書き”で正解を導き出す数学の計算問題。何度も挑戦できるが、最初に正解した人だけがポイントを獲得する。「判定を間違えそうでこわい」と伊沢が語るほどの難問で、計算にある程度の時間がかかるうえに、その計算式を小さなボードに整理して書く力が要求される。
パネラーは計算中のトークが難しいため、司会の伊沢が実況でつなぐという長期戦だ。その緊迫を破るように、一番に正解を出したのは須貝! ここまで、約5分。
本人の解説によると、どんな方法で答えを出すのかを考える前に、「極値を求めよ」という問題文の言葉を受けて素直に「微分」を始めたことが勝負の分かれ目となったようだ。
惜しくも、福良は問題文の一部を見間違い、山本は計算が追いつかず先を越されたが、その解説からは、計算問題に対する三者三様のこだわりが窺えて面白かった。
実況中に「我々が挑戦するからには、クイズマンシップと入試マンシップの両方を発揮したい」と語っていた伊沢。その言葉通り、生放送で正確に計算問題を解くという難解なパフォーマンスにもかかわらず、3人は圧倒的な冷静さとスピード感を見せ、緊迫感をあおる実況との連携プレイで魅せてくれた。
■問題文を見切って推測するクイズマンのすごさ
2問目から5問目までは早押しクイズ。スピードを競うが、一度間違えると解答権が奪われるため、正確さも問われる。1問目正解の須貝に続いて、山本が最近の話題をキャッチアップした日本史問題で1ポイント、福良は生物と国語の問題で合計2ポイント獲得するなど、それぞれが奮闘する。
山本は、2問目で「入試の問題文の長さを把握しきれなかった」という理由でボタンを押し遅れた反省点をふまえ、3問目では問題文を見切って正解していた。
しかし、それ以上の“見切り力”を見せつけたのが須貝である。「どこで見切りをつけるのか。これはもう入試じゃない!」と決め台詞を残しつつ、3ヒントクイズにもかかわらず、ヒント1つの時点で答えを推測して見事正解。これには伊沢も「勝負力がすばらしい」と感心していた。
そして番組は、ラストの数学早書き問題へ。5問目までのポイント合計は「山本1:福良2:須貝2」。伊沢が「次の問題のポイントは、“答えの逆数点”にしましょう」と提案し、最下位の山本にも逆転するチャンスが出てきた。
解けば解くほどスピード感が増していく興奮状態のなか、最後に正解したのは福良。確率問題での計算の速さが決め手となった。“答えの逆数点”だと約5点のプラスだったが、山本は残念ながらチャンスを生かせず…。晴れて、福良がQuizKnock大学に合格!という結果に。
■入試問題を勢いよく解く!この楽しさを受験にも活用!?
入試問題とはいえ、挑戦する3人の楽しそうな表情がなにより印象に残った生放送。視聴者からは「QK大学、自分も入りたい!」「もう問題解けました!」などのコメントが寄せられ、パネラーとともに問題を解きながら楽しんでいたようだ。
投稿コメントを読み上げていた伊沢も、「3人の解答の速さは予想以上で、彼らのすごさが見えたのかなと。入試問題をクイズにすることで、勢いよく楽しく解けることがわかって、視聴者のみなさんにも楽しんでもらえたのでは」と手応え十分。
ちなみに、クイズの出題元となった『角川パーフェクト過去問』についてメンバーに感想を伺うと…。「オールカラーで『グラフでどこの面積を求めればいいのか』などがわかりやすい。色は大事!」(須貝)、「重要ポイントに解説コメントや受験テクニックが書かれているのがいい」(山本)、「解答用紙つきだから、解答欄をうめるところまで練習してほしい」(福良)と太鼓判を押していた。
さらに、「“黄本”で覚えたばかりの問題を次の休み時間にクイズにしたら…」「パッと開いたページの問題を同時に解きはじめて競争するとか…」「せっかく勉強するなら友だちと楽しく!」など、モチベーション維持につながる活用法まで提案してくれた。受験勉強中も、ときにはゲームの要素を取り入れるような息抜きが大事。ぜひそんな場面でも本書を活用してはいかがだろうか?
最後に、伊沢が受験生へのアドバイスを語ってくれた。「受験は長期戦。調子が出ない日は好きな科目から進めて、徐々に重要な勉強にシフトしていくのもいいと思います。『勉強を続けている』ことが大事ですから。自分で自分のご機嫌をうまくとりつつ、がんばってください」。
取材・文=吉田有希 撮影=神保達也
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