頼まれたらすぐに対応する人は仕事が遅い?『仕事が早く終わる人、いつまでも終わらない人の習慣』③

ビジネス

公開日:2019/8/27


 仕事がなかなか終わらない理由、それは、あなた自身が仕事をどんどん増やしているからです。仕事を手掛ける順番、考え方、判断軸等をちょっと変えるだけで、あなたの仕事時間は急激に減ります。無意識の仕事肥満体質から脱却しましょう。

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早く終わる人は貯金箱に500円玉から入れ、終わらない人は1円玉から入れる

 仕事には「まとまった時間」が必要なものと、「スキマ時間」で対応できるものがあります。

 まとまった時間が必要なものには、コンペの提案書の作成や来期の商品開発計画の立案、企画の立案、予算案の作成などがあります。

 一方、スキマ時間で対応できるものには、電話やメールの対応や上司等からのちょっとした頼まれごと、備品のオーダー、経費精算などがあります。その多くが、すぐできるものです。

 仕事がいつまでも終わらない人は、スキマ時間でもできる仕事を先に手がけます。

 仮にその日15個のタスクを片づけなくてはならないとしたら、とりあえずすぐに終わるスキマ時間で対応できる仕事を10個終わらせて残り5個にしてしまいます。要は、圧迫感を減らすわけです。

 また、作業の途中であっても上司やお客様から何か頼まれたら、やっていた仕事を中断させてでも、すぐに対応します。タスクの数をできるだけ増やしません。

 すぐ終わるとはいえ、それぞれほんの5分、10分だとしても、トータルすれば結構な時間数です。

 また、タスク数が減ると、仕事が順調に片づいているように思えますが、実はほぼ変わりません。むしろ、「まとまった時間」を要する仕事を先延ばしにしているので、腰を据えて、集中してやらなければならないことを、残業をしたり、それでも間に合わず家に持ち帰ったりして取り組む分、当然、生産性も下がり、それによって時間もかかり、想定していたよりも多くの時間を要することになるのです。

 これは貯金箱の原理に似ています。

 貯金箱に1円玉を入れられるだけ入れた後、さらに500円玉を入れようとしてもほとんど入りません。1円玉が小さいため、スキマなくぎっちり入っているからです。

 反対に、500円玉を入れられるだけ入れた後、1円玉を入れようとすると、結構な量が入ります。500円玉は大きいため、間にスキマが生まれやすく、1円玉の小ささであれば、そこに入り込むことができるからです。

 同じ容積なのに、入れる順番を変えると入る量(結果)も変わるというわけです。

 仕事も同じです。

 1日24時間という時間を変えることは、誰にもできません。

 この限られた時間を有意義に活用するには、まとまった時間、高い生産性が必要な仕事を先に片づけ、さほど手がかからない仕事を合間に片づけるほかないのです。

 仕事が早く終わる人は、まず大きな仕事をする「まとまった時間」を確保します。

 そして、大きな仕事と大きな仕事の間のスキマ時間に小さな仕事を行います。小さな仕事もあらかじめ緊急度順に整理しておき、それに従って手がけていきます。

 日中の集中力の高い時間帯に「まとまった時間」が確保できるので、仕事効率も高く、トータルでかかる仕事時間も少なくてすみます。

「先輩やお客様に頼まれたことは断れない……」という方は、言い方を換えることで解決できます。

 たとえば上司から、「C社に○○の資料を送っておいて」と声をかけられたとします。

 それに対して、「今忙しいので後でやります」などと言うと、当然、上司は気分を害するでしょう。しかし、「はい、わかりました。ただ、今は来月のA社のコンペの準備をしているので、16時頃にお送りするのでもいいでしょうか」と言えば、コンペの重要性を上司も理解していますから、「もちろんいいよ」と納得してくれるはずです。

「まとまった時間」の確保から仕事は始まる。覚えておきましょう。

■仕事が早く片付くコツ
まず「時間がかかる仕事」に手をつけよう

<第4回につづく>