生理と片頭痛って関係ありそう…。そう思ったら知ってほしい原因と対処法
公開日:2019/9/6
女性特有のからだの不調やトラブルで悩んでいませんか。「お医者さんに行くほどではない…」「デリケートなことなので人には聞きにくい…」そんな体の悩みを、All Aboutガイドであり、ポートサイド女性総合クリニック・ビバリータ院長の清水なほみ先生に聞きました。自分のからだと向き合い、健やかに過ごす手助けとなってくれることでしょう。
片頭痛は有病率の男女差を見ても、女性の方が男性の3.6倍多いというデータがあり、比較的女性に多い疾患と言えます。早いと10代の頃から発症しているケースもあり、婦人科で拝見していると、10代の若年時からひどい片頭痛がある方は、月経痛や起立性調節障害などの他の不調も同時に出ているパターンが多く見受けられます。
片頭痛の増悪因子としては、睡眠不足や過労などのストレスがあげられていますが、女性の場合は月経周期にともなって症状が悪化する方もいらっしゃいます。これは、女性ホルモンの1つである卵胞ホルモン(エストロゲン)が頭痛と関連しているからです。このホルモンの濃度が「下がる」時に片頭痛が引き起こされやすくなります。おそらくは、卵胞ホルモンの「血管の壁」への作用が関与していると思われますが、詳しい機序は分かっていません。
月経周期の中で、卵胞ホルモンが「いったん上がって下がる」時期が2回あります。
1つが排卵の時期。もう1つが月経直前から月経初日にかけてです。排卵の直前に急激に増えた卵胞ホルモンは、排卵と同時に少しだけいったん下がります。また、排卵後に再度上昇した卵胞ホルモンが、月経直前に急降下することによって月経が来ます。この2つの時期には、卵胞ホルモンが「下がる」という現象が起きるので、その時期に一致して片頭痛が起きやすくなるのです。月経周期にともなって頭痛が出ているかもしれないと思ったら、まずは基礎体温をつけて、周期と頭痛の時期の連動性を確認してみるとよいでしょう。明らかに月経周期と関連して頭痛が出ている場合は、ピルをはじめとするホルモン剤を上手に使うことでそれらの症状を和らげることができます。ただし、片頭痛のタイプによってはピルが飲めない場合もありますので、気になったら一度婦人科で相談してみるとよいでしょう。