“前世の記憶”を日常生活にどう生かす!? 吉本ばななが友人と語る、魔法使いになる方法
公開日:2019/9/4
「心から願ったことや望む現実を作りだすことは、本当は誰でもできること」――直感力から呪いまで、見えない力を使いこなしているというふたりの対談を収録した1冊が、『そうだ 魔法使いになろう! 望む豊かさを手に入れる』(吉本ばなな、大野百合子/徳間書店)です。吉本ばななさんは『キッチン』でデビュー後、多くのベストセラー、受賞歴を持つ世界的作家。父親は詩人・評論家の吉本隆明氏。大野百合子さんはスピリチュアル系書籍の翻訳者、紹介者でありティーチャー。ばななさん自身が「この人たち頭大丈夫?と思ってしまうくらい突き抜けた内容の対談」と述べる、スピリチュアルな世界のエピソードには、生きるヒントが満載です。
著者のふたりは、過去世で何世紀にもわたってさまざまな体験をともにしてきた友達であり、今世でも家族ぐるみで仲の良い友人同士だそう。さかのぼればチベットでは先輩・後輩の修行僧、エジプト時代はイシスの神殿で巫女仲間だったこともあるそう。
■人は350回も転生する。その影響は日常生活にも!?
大野さんによると、人間は「宇宙生まれの永遠不滅の魂」と「地球生まれの肉体」という2種類のエネルギーでできている存在。人間が転生するのは350回ほどで、大野さんは現在100回ちょっと。ばななさんは、すでに転生が多いため、今世が最後だとか。「意識の中にないものはイマジネーションでも出てこない、ばななちゃんがあれだけの物語を紡ぎ出せるのは意識の中にあるから」とは大野さんの言葉です。
「魂」は自分が何を表現したいかを知っているので、そこからずれていると、「今やっていることはちょっと違う気がする…」という違和感が、誰でも生じるそうです。大切なのは「ボディを信頼すること」。「何かにシンクロが起きたらとりあえず、それをやってみるのも手。なにしろ平均350回の転生の中でその『道』に関わっていることはけっこうあるはず」と大野さんは語ります。
大野さんが「魔法使い(目に見えない、あるいは目に見えるエネルギーを自由に動かせる人)」と認めるばななさんは、「ほとんどのことを夢で判断している」そうです。「夢次元を利用できるようになると、気になっていることの解決策が、上の次元の自分から降りてきます。夢から得られる情報は本当に宝物!」と語る大野さん。魔法の扉や不思議の扉は、うたた寝している時やまどろんでいる時に開くので、まずは「夢を覚えておこう」と意識するとよいそうです。
■わたし自身を認めることは、先祖代々を認めること
「疑いや不安を持ったまま親になると世代を超えて負の遺産が受け継がれてしまう」という話から、大野さんは、過去の記憶の浄化方法である「自己受容」の方法を教えてくれます。何層にも重なる「マトリョーシカ」の構造をイメージするとわかりやすいかもしれませんが、自分自身を100%受け入れられると、そのとき自動的に、本人も周りの家族も、時代を超えた家系もまた報われていくそうです。
ばななさんと大野さん、スピリチュアルな話題を通じて仲良しなふたりの魅力がたっぷり詰まった本書。存在が不確かな幽霊や、豊かさを受け取る「龍神瞑想」など、今まで不思議だと思っていた話もなぜか腑に落ちる、未知の世界への興味をいざなう1冊です。
文=泉ゆりこ