40代後半で15kgダイエットに成功した女医が教える“太りにくい習慣”と“負のスパイラル”脱出法
更新日:2020/9/9
■内側から体を整える「ホットヨーグルト」
――先生がおすすめしている「ホットヨーグルト」について教えてください。
日:普通の無糖ヨーグルトを、600Wの電子レンジでラップをかけずに40秒ほど温め、かき混ぜてから食べています。
ダイエットに有効な「バクテロイデス」という菌は、野菜、キノコのほか、ヨーグルトなど乳酸菌を含む食品によって増えるんです。冷たいままのヨーグルトでも良いのですが、温めることでさらに乳酸菌が活性化し、効果が高まります。
乳酸菌によって腸内環境が整うと免疫が活性化されますし、宿便も溜まりにくくなります。内臓が綺麗になれば肌や体形など外に出ている部分にも良い影響が出るんです。
――どのタイミングでホットヨーグルトを食べていますか?
日:夜食べています。寝ている間に腸のゴールデンタイムがあるんです。体の中の修復・再生のゴールデンタイムは、朝の起床後15時間から19時間の間にあるといれています。そうすると、夕食後にホットヨーグルトを摂ることで、ちょうど腸内のゴールデンタイムに腸を活性化させてくれるということです。
■「40代でダイエットをすると老けちゃうんじゃ…」は心配なし!
――アンチエイジングの第一人者でもある先生に伺いたいのですが、ダイエットをすると老けた印象になる心配はありませんか?
日:ダイエットの方法によりけりだと思います。激しい運動をして、激しい食事制限をするようなダイエットは皮膚や体全体の老化につながってしまいます。
やっぱり、生活習慣の中で持続できることから始めることが大切です。
例えば、夕食だけ炭水化物を抜く、添加物や保存料を避ける、お酒を飲むときは血糖値の上がりやすいビールではなく焼酎・ウィスキーのような蒸留酒を選ぶなどです。
ちょっと知識をつければ、長い目で見て自分に合った食べ物を選べるようになります。自分の体質や好みに合わせて、できることを長く続けることが大切だと思います。
――自分に合った方法を模索する必要があるのですね。反対に、全ての人に共通していることはありますか?
日:共通していることは、摂取カロリーより消費カロリーが低いと太ってしまうこと。これは全ての人に言えます。
また、ダイエットで何より大切なのは「血糖値を急激に上げないようにすること」です。
――食後の血糖値が上がりにくい食品というと、最近話題の低GI食品と呼ばれているものでしょうか?
日:最近ではGI値ではなくGL値が大切です。GI値は単に血糖値の上がり具合を見ているんですが、GL値は炭水化物の量も考慮しているので、今は海外でもGL値の方が重要視されています。
低GL食品には、ごぼう、りんご、枝豆などがあります。豚バラ肉、鳥モモ肉、牛モモ肉も低GLです。
■綺麗な体はポジティブ思考&習慣化で作れる!
――最後に、この夏ダイエットをしようとしている女性に向けて応援のメッセージをいただけますか?
日:やはり、30代半ばあたりから痩せにくくなっていくものです。若いころに比べて体の老化は進んできているので、「カロリー制限さえすれば痩せる」という考えではダメです。日々の食生活、睡眠、メンタルを健全に保つのが大切。
特にメンタルは重要です。憧れの人の写真や、若いときの自分の写真を見てワクワクするようにしましょう。「こういう風になりたいな」というポジティブなイメージを抱くようにしてください。
また、恋愛をしたり、追いかけたくなるような芸能人を見つけたりして「幸せ!」という気持ちを感じると、セロトニンという腸に関係するホルモンが分泌されます。セロトニンが分泌されると、睡眠の質が良くなり、エイジングケアにもつながります。
反対に、イライラしたりため息をついたりしていると、今度はストレスのホルモンが出て体にマイナスな効果をもたらします。
あまりマイナスに考えず、気分転換やストレス発散の場を持つことはとても重要です。今からでも遅くはありません。私は40代になってからでもできたので。ダイエットは厳しくてしんどいものと思っているかもしれませんが、そんなことはありません。生活スタイルを変えるだけで綺麗な体を作ることは可能なんです。
取材・文=川上穂奈美