できたら策士! 「断られない」デートの誘い方 /Mr.マリックの『超魔術の裏技術』⑧

ビジネス

公開日:2019/9/16

ハンドパワーの正体は「プレゼン力」だった!?
Mr.マリックが実演販売員時代から長年培ってきたコミュニケーションの裏技術をみっちり伝授。これを身につければ誰の心でも誘導できるようになる。
あなたの人間関係やビジネス、キャリアが激変すること間違いなし!

『超魔術の裏技術』(Mr.マリック/ワニブックス)

対話 告白 接客 に使える超魔術【1対1のコミュニケーション】

■相手に選ばせる「フォーシング」

 カードマジックではよく、お客様に“選ばせる”ことをします。
「あなたが選んだカードはすでに予言してあります」
 と言って的中させると大きな拍手がいただけます。お客様が参加するマジックは大いに盛り上がります。カードを選んだ人は特に大喜びです。

 人間は選びたい動物なのです。車好きの男性は、どんな車を買おうか悩んでいる時間が一番楽しかったりしますし、大好きなブランドの洋服を2着、交互に鏡に映しながら「迷っちゃう」と言っている女性は満面の笑みです。

 懐石や仕出し弁当では、松竹梅の3種類が用意されていますね。一番売れるのは竹、次に松、梅は最後です。これはどのお店でも例外はありません。

 松は高い。かといって一番ランクが下の梅は悔しい。じゃあ竹で手を打とう。多くの人の心理状態はこれです。お店側も竹が一番売れるとわかっていて、食材を仕入れています。うっかり松を選んでくれたら、お店としては嬉しい誤算です。

 相手に選ばせる。これはフォーシングというテクニックです。私は実演販売員時代、この手法を多用していました。

「お客様、マジック歴は何年くらいなんですか?」
「5年くらいかな」
「そうですか。そうすると、これかこれがいいと思いますよ。どちらを選ぶかは、もう好みの問題ですね」

 そう言いながら、目の前に2つの商品を出します。お客様は買うとも買わないとも言っていません。でも知らず知らずのうちに「買うならどっち?」というステージに誘導しているのです。

 3つの選択肢はダメです。迷ってしまって決断に時間がかかります。もちろん1つもダメです。売る気が見え見えです。

 どちらかを選ばせる。売り買いではなく、お客様自身が選ぶ。こうすると、買わされた感がありません。

 デートも同じです。いきなり「デートしようよ」はリスクが高いです。
「水族館と動物園、どっちがいい?」
 と切り出してみましょう。どっちも嫌、と言われてもいいのです。
「じゃあプラネタリウムと遊園地だったら?」

 もうデートをすることは既成事実になっているのですから。もうひとつ例を出しましょう。たとえば映画です。
「今、これとこれとこれが上映しているんだけど、観るとしたらどれが好き?」
 と聞くのです。
「この中だったら、これかなぁ」
「それは今週中で終わっちゃうから、急がないとね」
「そうなんだ。じゃあスケジュール確認してみるね」

 デートというふるいを知らず知らず越えています。選べば行くんです。
 ビジネスシーンも同じことです。企画案は1つではなく、2つ出したほうが通りやすくなります。3つ出せたら高評価をもらえます。

 人生は選択の積み重ねです。「どちらにしますか?」と突きつけられると、真剣に考えて、どちらかを選ぶのです。本能なのです。

 ここでひとつ、他愛ない遊びをお教えしましょう。相手の好きなものを当てる遊びです。

あなた「なんでもいいから、頭に思い浮かんだ果物を4つ書いて。何番でもいいから、大好きな果物を1つ入れておいてね」

①りんご
②バナナ
③イチゴ
④メロン

 だったとしましょう。これは高い確率で2番のバナナが好物のはずです。私はこの遊びを何度もやっていますが、「2番でしょ」と答えて高い確率で当てています。正解率は8割近いと思います。

 人間は2番目が好きなのです。男性は小用の際、広いトイレの中で右から2番目か左から2番目の小便器を選びがちです。これは統計学ですから、外れる場合もあります。しかし、馬鹿にできない確率で当たります。

 売りたいもの、相手に選ばせたいもの、訴えたいこと、賛成してほしい内容。
 そういったものを2番目に持ってくる。商品の陳列やメニュー表などでも、この2番目の法則は意外に使われています。

 相手が何を選ぶかを事前に予測しておいた上で、相手に選ばせる。フォーシングをうまく使えると、主導権をとりやすくなります。

【STEP1 まとめ】
・話がうまい人とは、イメージさせる力がある人のこと
・欠点を見せた上でフォローをする
・相手の顔を見るときは片目をみること
・話し方は小学4年生を基準にせよ
・重要なこと以外は静かに話す
・立ち話は相手の斜め前に立つ
・人間は「2番目」が好き

【続きは本書で!】