デビュー50周年! 山岸凉子「まだ見ぬ自分を求めて」特集番外編
公開日:2019/11/8
「マンガは私そのもの」と語る、その人生とは
編集I
1969年に21歳でデビュー、少女マンガ界にさまざまな変革をもたらしてきた山岸凉子さんが、今年デビュー50周年を迎えました。
山岸さんは『ダ・ヴィンチ』誌上で2000年11月号から約10年にわたって『テレプシコーラ/舞姫』を連載、本作は『アラベスク』以来の長編バレエマンガとして話題を呼び、2007年に手塚治虫文化賞マンガ大賞を受賞。その後も数種の長短編を『ダ・ヴィンチ』で発表、その作品は雑誌のカラーにも影響を与えてきました。
山岸さんにはこれまでも種々のインタビューや対談にご協力をいただいてきましたが、特集は『テレプシコーラ/舞姫』の第一部完結記念として企画した2007年3月号以来、約12年半ぶりということになります。
本特集の内容は――。
1)川上未映子さん、穂村弘さんによる『日出処の天子』対談
山岸ファンのお二人が、代表作『日出処の天子』について、多種多様な観点から分析した濃密な対談。1980年に発表された本作が、少女マンガ史における大傑作として多くの読者を魅了しつづけている、その理由がわかります。未読の方も既読の方も『日出処の天子』を手に取りたくなること必至!です。
2)入江喜和さん、おかざき真里さん、よしながふみさん寄稿&インタビュー
上記3名のマンガ家の方々に、山岸作品のお好きなキャラクターを寄稿していただき、その作品への思いの丈を取材でうかがいました。熱いインタビューとともに味わうトリビュートイラストは格別。
3)魔夜峰央さん、諸星大二郎さんによるイラストメッセージ
プライベートでもご親交のあるお二人から山岸さんへ。“らしさ”にあふれた温かいメッセージです。
4)身近なあの人が語る、山岸凉子の凄みと素顔
アシスタントとして、編集者として、仕事をともにしてきた方々、家電&家周りの相談相手の方々に、山岸さんとのエピソードをインタビュー。『百鬼夜行抄』等で知られる今市子さんがアシスタントとして携わったなかで感じた作品作りへのストイックな姿勢、『ダ・ヴィンチ』や『ASUKA』での連載経緯や創作エピソードなど。
5)山岸凉子が描く、バレエマンガの世界
活躍中のバレエダンサー、上野水香さん、中ノ目知章さんが語る、山岸作品のリアル。バレエに人生を懸けたお二人ならではの共感と感動。
6)50周年記念原画集『奏(かなでる)』 愛とこだわりの作画エピソード』刊行!
20枚を収めた記念原画集『奏(かなでる)』からお気に入りの3枚を選んで、その作画エピソードを披露。
7)山岸凉子ロングインタビュー
子供の頃から現在まで、心に残る家族とのやりとり、人生を照らした「マンガ家」という仕事、唯一無二の作品を生む創作哲学……。険しい道のりを歩き続けてきた表現者の気持ちの変遷をうかがいました。
「自分を見捨てず、努力することを手放さず、抗いたいのです、死ぬまで」 山岸凉子
山岸さんをはじめ、多大なご協力をいただいたみなさま、ありがとうございました。