川端康成の借金スキルは「天才」レベルだった…!/『文豪どうかしてる逸話集』⑧

文芸・カルチャー

公開日:2019/11/16

誰もが知っているあの文豪に、こんな意外な一面があった!? 太宰治、芥川龍之介、夏目漱石、川端康成など、名作の生みの親の「どうかしてる」逸話を一挙紹介!

『文豪どうかしてる逸話集』(進士素丸/KADOKAWA)

川端康成】(1899~1972)

目ヂカラがハンパない日本初のノーベル文学賞受賞者

 幼い頃に両親と祖母、姉を相次いで亡くし、祖父のもとで育てられた川端康成。生まれつき虚弱体質で学校も休みがちだったが、成績はよく、中学生の頃には文芸雑誌を読むようになり、この頃から小説家を志すようになる。

 22歳の時に発表した小説『招魂祭一景』が高く評価され、文壇デビュー。

 横光利一らとともに同人雑誌「文藝時代」を創刊し、新感覚派の代表的作家として活躍した。

 16歳の時に「もっともっと勉強してノーベル賞を獲る」と言った通り、1968年に日本人初めてのノーベル文学賞を受賞。

代表作

『伊豆の踊子』(1926)

伊豆へ一人旅に出た青年が旅芸人一座と道連れとなり、踊子の少女に淡い恋心を抱く物語。
大学時代の寄宿舎生活がいやすぎた川端康成は、その生活から逃げるように伊豆旅行に行き、その旅行での経験をもとに書かれた作品。
ちなみに川端は、執筆の際に宿泊していた旅館の4年半分の代金を1円も払わなかった。

『雪国』(1937)

「国境の長いトンネルを抜けると雪国であつた」
冒頭の一文があまりに有名な川端の代表作。
親の財産で不自由ない生活を送る島村は、雪深い温泉町で出会った芸者・駒子の一途な生き方に惹かれながらも、ゆきずりの愛以上のつながりを持とうとしない。
川端が新潟県湯沢町に滞在していた時の体験をもとに執筆。