太ももが気になるけどスキニー履きたい! フォロワーの切実なお悩みに答える画期的イラストブックが登場
公開日:2019/11/29
他人の価値観に合わせたりしたくはない。自分が好きな服を、好きなように着て、生きていきたい。そう思っている人は少なくないだろう。他人からおしゃれと思われたい欲はあるけど、おしゃれとされるコーデにしても、人気ブランドの服を着ても、それが自分を素敵に見せてくれるとは限らないし、そもそも人によって「おしゃれ」の基準なんて千差万別だ。
しかし、外圧は気にしないとしても、自分の価値観を守るなら「自分自身の眼」からは逃れられない。きりっとタイトなパンツで気合入れたい!…けど、足太いのが目立つかな。いくつになっても可愛いワンピは最高!…けど、ちょっと顔から浮いている気がする。
好きな服を着るとはいっても、悩みは尽きない。そんな私たちを救ってくれるアイディアに満ちているのが、11月29日に発売された『大好きな服だけで生きていく Fashion Meeting!』だ。インスタグラムのフォロワーが14万人に迫る勢いのイラストレーター・いわたまいさん(@iwatamai)待望の新刊で、114ものコーデが収録されているという。
本書の魅了はなんといっても、「ファッションお悩みQ&A」という形式だ。ただおしゃれなファッションが載っているだけではなく、それぞれのコーデがフォロワーから寄せられたお悩みに対応しているのである。「スキニーをはきたいけど太ももが気になる」「やぼったくなりがちなスウェットコーデはどうするのが正解か」など、寄せられたお悩みは共感できるものばかり。みんなそつなくお洒落をしているように見えて、やはり細かい部分で困っているのだ。
そのお悩みに対するいわたさんの回答が、また素敵なのである。たとえば「スキニーをはきたいけど太ももが気になる」といった声に対しては、「スキニーはあきらめて、と自分には言っています」ときっぱり! もちろん「あきらめろ」と促すわけではなく、脚が太めでも素敵に見せられる新たなパンツコーデを提示し、そのあとに「どうしてもほっそりしたデニムが履きたいならテーパードがおすすめ」と、願望を汲んだコーデも提案もしてくれる。これはなかなか画期的ではなかろうか。
いわたまいさんはイラストレーターになる以前、アパレルメーカーのデザイナーをしていた経歴の持ち主。服をつくる側ならではの目線が、「結局どのように見せたいか」という、お悩みの底にある願望と着地点を見抜いているのかもしれない。
体型だけではなく、「30代以降に似合う甘さ控えめの花柄は?」「メンズアイテムを取り入れるなら?」「雨の日、長靴には何をあわせるといい?」など、実にさまざまなクエスチョンが飛び交っているのだが、いわたさんのアドバイスはいずれも既成概念にとらわれず、しかし同時に地に足がついていて実践的なので、読んでいると「ああ、新しい服が着たい!」と、前向きな欲望がむくむく湧いてくる。
最近は自分に似合うもの/似合わないものを見定める知識がメジャーになってきているが、一方で「似合わないけど好きな服」「似合わないけどあこがれのテイスト」もあるだろう。「自分にはこういう服は似合わないから」と、やや臆病になっている人には、本書をぜひすすめたい。いわたまいさんとフォロワーがぶっちゃけた疑問を共有する「ファッションミーティング」に参加すれば、思ってもみなかった服やアイテムを通して、あこがれに近づく方法が見えてくるはずだ。