言葉責め、緊縛、イケナイ関係……。高校生の男女が始めた“官能ごっこ”は、よりエロく発展して制御不能!
公開日:2019/12/4
性の目覚めは人それぞれだ。幼少期に誰かへの恋心と自分の性を意識する人もいれば、一定の年齢を超えたとき身体の成熟と共に目覚める人もいる。『ゆき姉ちゃんの官能ごっこ。』(須河篤志/竹書房)は高校生の男女が官能小説を使った“おあそび”をきっかけに、自らの性と出会う物語である。はたして彼らが密かに、そして貪欲に行為を重ねる官能ごっことは一体……?
高校生になったばかりの結城晋(ゆうき・しん)には、同じ学校に通う年上の幼馴染、黒瀬雪乃(くろせ・ゆきの)と“とある秘密”を共有していた。彼らは誰にもバレないように細心の注意を払いながら、官能小説のエッチなシーンを実際に再現していたのだ。可憐でスタイル抜群のゆき姉ちゃんに翻弄されながらも、晋は彼女との時間に夢中になっていた。しかし、そんな官能ごっこに大ピンチが訪れる。雪乃の友達である蒼下凪(くさもと・なぎさ)に、官能ごっこの様子を撮影されてしまったのだ。一方的に晋を悪者認定する凪を見て、晋は雪乃に官能ごっこを今後控えるよう提案する。
“うん…危ないのはわかってるんだけど。シンくんともっといろんなことしようって楽しみにしてたんだけどな…”
“2週間後球技大会あるでしょ?そのときに…する?”
雪乃のいじらしい言葉にときめいた晋は、あっさりと次の官能ごっこの予定を決めてしまう。球技大会当日、雪乃が選んだのは緊縛と言葉責めが印象的な「官能小説・学園シリーズ第7巻『体育倉庫の囁き』」。頬を赤らめながら登場した雪乃はいつも以上に色っぽく艶やかだった。雪乃のからだを縛り上げた晋は、次第に自分の言葉を使って彼女をいじめていく。
“…そういえば最近写真撮られちゃったよね。本当はみんなに見てほしかった?あぁ、そういえばドアの鍵してないんだよ。”
“ウソはダメだよゆき姉、乳首勃ってるよ(中略)…だから乳首ツネってあげるね?”
濃く、淫らな時間が終わったとき、体育倉庫のドアを叩く音と共に凪が訪れる。またもや凪にバレてしまったふたりの官能ごっこはどうなるのだろうか。
本作は、文系巨乳女子×年下男子のドキドキ情事を描いたラブコメマンガ。官能小説を読み上げながらどんどん世界にハマっていくふたりの様子には、高校生ながら圧倒的なエロスを感じる。また、雪乃との官能ごっこはもちろんのこと、10話「チョコ味とろける初体験」で描かれる晋と凪の秘密もたまらない。クールでかっこいいイメージの凪が少しずつ調教されていく様子には、思わず読者も唾を飲むはずだ。
瑞々しく輝く雪乃のからだと繊細で淫らな官能小説の言葉を楽しみながら、“ごっこ遊び”のゴールを見届けてみては?
文=山本杏奈