おみくじを読むとき一番大事なのは●●! 神様のお告げを活かす「おみくじの読み方」

暮らし

公開日:2019/12/22

『成功する人は、おみくじのウラを読んでいる!』(渋谷申博:著、三橋健:監修/かんき出版)

 もうすぐ初詣のシーズン。あなたは、自分が引いた「おみくじ」をどう読んでいますか?
 
 開くとすぐに「やったー、大吉だ!」「あぁ…凶だ」と一喜一憂し、気になっていた項目(恋愛運や財運など)を読んで、「ああ、よかった」「うーん、残念」…で終わっていませんか?
 
 それではせっかくのおみくじが「もったいない」です。肝心の神様からのメッセージを受け取っていません。
 
 形式はいろいろありますが、「おみくじ」で一番重要だとされているのは、実は和歌や漢詩などの形で示されている「お告げ文」。これが託宣、つまり「神様からのメッセージ」なのです。
 
 書かれている吉凶とか、運勢全般についての説明とか、金運・恋愛運・学問運といった願意別の運勢といったものは、この「お告げ文」を解釈したものです。したがって、大切なのは吉凶よりも、歌にこめられたメッセージ。
 
 ここで注意しなければいけないのは、それらの解釈は多様だということ。

 なぜなら、運勢は一人一人異なっています。たとえば、「雨が降る」というお告げが書かれた「おみくじ」があったとします。このお告げは、明日遠足を楽しみにしている子どもにとっては凶でしょうが、日照りに困っていた農家にとっては吉報です。このように、同じおみくじでも受け取る人によって意味は大きく変わってくるのです。


 したがって、「おみくじ」は、自分の状況や何を願って引いたかをよくよく考えた上で、お告げ文を正しく読み解く必要があります。吉凶や願意別の運勢などは、そのための参考意見。おみくじのお告げ文を使って神様はあなたに何を伝えようとしているのか――気になりませんか?

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『成功する人は、おみくじのウラを読んでいる!』(渋谷申博:著、三橋健:監修/かんき出版)は、こうした観点に基づいて、日本の宗教史を研究してきた知見に則って執筆されています。楽しみにしていた「おみくじ」を通して、自分が進むべき道を見つけられたらいいですね!

■99首の和歌・漢詩に込められたメッセージを解読

「くじ(籤)」は神様の意思をうかがう方法として古くから用いられていました。たとえば、室町時代には将軍の後継者を決めるため、石清水八幡宮の神前でくじが引かれていたほどです。

 現在のおみくじの多くには“和歌”が使われています。現代では和歌は文学のひとつとして受け止められていますが、かつては神と人が意思を伝え合うものとしても考えられていました。

 仏教では真言や陀羅尼という呪文が仏に直接働きかける力をもつとされていますが、和歌はそれに相当する霊力を発揮すると信じられていたそうです。小野小町が雨乞いのために和歌を詠んで雨を降らせたという伝説があるのも、こうした信仰に基づくものです。

 こうした名歌に託して神様に意思を伝えていただこうというのが、現在の「おみくじ」。神様はお告げ文という形で、現状をどう理解し何をなすべきか、私たちに伝えてくれているのです。

 本書では、99首の和歌・漢詩をピックアップし、その「おみくじの読み方」を紹介。ひとつひとつの言葉に深い意味が込められた和歌を解説し、“神様からのメッセージ”を読み解いていきます。



 また、読み方だけでなく、「おみくじの成り立ち」「正しいおみくじの引き方、扱い方」、『万葉集』や『古今和歌集』『新古今和歌集』といった和歌集についてもコラムで紹介。この1冊で、「おみくじ」を引くことがもっと楽しくなりそうですね!