長江里加「次の目標はソロライブ!それを夢見て突き進みます」【声優図鑑+】
公開日:2019/12/27
編集部が注目する声優に、仕事に向き合う気持ちからプライベートまでをじっくり伺い、撮り下ろしのミニグラビアを交えて紹介する人気企画「声優図鑑」。【声優図鑑+(プラス)】では、これまでに「声優図鑑」を飾ってきた声優たちが2度目の登場! 前回を振り返りつつ、成長したことや新たな目標をインタビューし、今の素顔に迫ります。
第5回となる今回は、2016年8月に「声優図鑑」に登場し、最近では『あそびあそばせ』のオリヴィア役、『私に天使が舞い降りた!』(以下、『わたてん』)の星野ひなた役、『アイドルマスター シンデレラガールズ』(以下、『シンデレラガールズ』)の久川颯役などを演じる長江里加さんです。
――前回「声優図鑑」に登場した時は、トマトを持った写真が印象的でした。
長江:そうなんです。公園にトマトが落ちていて。何度話しても皆さん驚いてくださるから、このネタは一生大事にしようと思っています(笑)。
――当時はまだ大きな役をやっておらず「これから頑張ります!」という感じでしたが、3年経ってだいぶ変わったのでは?
長江:ありがたいことにいろいろな作品や番組に出演させていただき、知り合いがすごく増えました(笑)。一緒に仕事をしてきた仲間と別の現場で会うのも嬉しいですし、仕事をもっと楽しめるようになりましたね。
――メイン役では2017年のTVアニメ『フレームアームズ・ガール』バーゼラルド役や、TVアニメ『プリプリちぃちゃん!!』ジョーくん役が最初になりますね。役が決まった時の率直な気持ちをお聞かせ下さい。
長江:奇跡!という感じでビックリしました。本当に役がいただけるんだって(笑)。『フレームアームズ・ガール』はオーディションで最初違う役を受けていて、その場でこっちもやってみてくださいと言われたんですよ。
――そのバーゼラルドはどんなことを意識して演じたのでしょうか?
長江:まずは自分がやりたいように演じてみようと思って。やってみたら意外とそれがいいと言っていただけたました。よく「長江さんはやってることが間違えてたとしても、説得力があるから面白い」みたいなことを言われるんです(笑)。
――キャラのつかみ方や感性の良さだけでなく、説得力でねじ伏せているのですね(笑)。いずれにしても、難しさや苦労よりも楽しめたと。
長江:それは音響監督の飯田(里樹)さんの影響も大きかったと思います。飯田さんは自由にやらせてくださいますし、モチベーションを上げてくれる言葉をめちゃくちゃかけてくださるんですよ。
――長江さんは褒められて伸びるタイプ?
長江:いや、そうでもないんですけどね(笑)。褒め方にも種類があって、「今の面白かったので、次も期待してます」と言われるとプレッシャーに感じちゃうので、「今の良かったんですけど、こっちでやってみてください」が一番いいです。
――具体的な言い方がいいわけですね。そして、2018年にはTVアニメ『あそびあそばせ』でオリヴィアを演じました。
長江:はい。『あそびあそばせ』も音響監督が飯田さんだったので、とてもやりやすくて。しかも、プレスコだったのでもっと自由にやらせていただきました。
――オリヴィアは金髪で碧眼なキャラクターです。
長江:バーゼ(バーゼラルド)も金髪というか銀髪というか、そういう髪色ですし、私はアニメでもゲームでもナレーションでも金髪美少女の役が結構多いんですよ(笑)。だから、オリヴィアもまた金髪美少女だと思って。私の声はそういう子に合っているのかなと思い始めた作品でもあります。
――普段の声よりも、演技ではそういう雰囲気が出るのですね。
長江:そうみたいです。あと、オリヴィアはカタコトの日本語を喋るのですが、私はそれが得意だったみたいで(笑)。ただ、作中ではエセなのがすぐにバレてしまい、そこからは流暢な日本語を喋っていたので、もうちょっとカタコト喋りをやりたかったです。
――それらのアニメと平行して、『温泉むすめ』の箱根彩耶役としての活動もスタートしました。2017年からさまざまなステージにも立たれています。
長江:もともと歌って踊るのはすごく好きなので、それを声優としてできるのが嬉しかったですね。
――改めて初ステージを振り返るとどうでしたか?
長江:歌って踊ること自体は、みんなで練習して準備したのを披露するから大丈夫だったんですけど……ライブではトークをしなくちゃいけないことがわかって(笑)。
――MCの方が鬼門だったのですね。
長江:そうなんです。基本的に台本ありきの仕事ばかりやってきたので、自分が思っていることを伝える難しさを実感しました。聞かれれば何か答えられると思っていたのに、「そのことは全然考えていなかったな……」と頭が真っ白になっちゃって。一時期はトークをなるべくしないで盛り上げ役でいようと思っていたんです(笑)。
――でも、逆に歌や踊りは最初から大丈夫だったのがすごいですね。もともと運動はしていたそうですが、ダンスの経験もあったのですか?
長江:ダンスはやっていなかったですけど、正解や正確かどうかは置いておいて、まずは楽しくできたらいいかなって!
――箱根彩耶を演じることについては、どうでしたか?
長江:彩耶ちゃんは声もそんなに細工せずに、普段の長江でやっています。彩耶ちゃんって見守るタイプというか、一歩引いてみんなが目立ってくれたら嬉しいタイプなんです。私もそういう立ち位置に徹しているから、自然と素でやれていますね。
――それは演技だけでなく歌でも言えることですか?
長江:そうですね。彩耶ちゃんとして歌ってはいるけど、普段の長江とそんなに変わっていないかなって。ちょっとイケメン要素があるところや、爽やかなところは私にはないので、そこだけ意識しています。
――2019年1月からは『わたてん』が始まりました。星野ひなたを演じると同時に、「わたてん☆5」としてユニット活動もされていますね。
長江:星野ひなたも割と自分自身といいますか、自由に演じさせてもらっています。こうやって話している時は抑えていますけど、日頃はあんな感じで暴れているので(笑)。しかも、周りには同じ事務所の先輩が2人いて(種村小依役の大和田仁美さんと小之森夏音役の大空直美さん)、「長江ちゃん、今の面白かったよ」とか褒めてくださるんです。
――先輩方は長江さんの扱い方を心得ているんですね。
長江:ほんとそうなんですよ(笑)。ほかの皆さんも受け入れてくださって、優しい人ばかりだなって思います。
――『わたてん』は長江さんにとってどのような作品になりましたか?
長江:『わたてん』で初めてMVを撮ったんですけど、どうやっていいのかわからなかったので、とりあえず暴れてみました(笑)。最終話ではミュージカルもやりましたし、新しいことをいろいろやらせていただいた作品ですね。
――『温泉むすめ』や『わたてん』での経験があったからこそ、先日の『シンデレラガールズ』のステージでは堂々としていたのですね。
長江:そうですね。双子の相方である新人の立花日菜ちゃん(久川凪役)を守らなきゃ!助けなきゃ!と思って。でも、彼女だったからこそ今回のようなステージができたと思うんです。きっと『温泉むすめ』ではまたみんなを頼りにしちゃうと思うし、現場によって長江の顔は結構変わります(笑)。
――大きな作品に参加することへのプレッシャーもあまりなく?
長江:そこは私の経験よりも『シンデレラガールズ』の先輩方の存在が一番大きいです。先輩方はめっちゃウェルカムで、いつも気にかけてくださいますし、やりやすい雰囲気を作ってくださるんです。だから緊張は一切なかったんですよ。皆さんのことが大好きで、心から尊敬しています。
――そうやっていろいろな仕事をしたことで、冒頭に話していた「知り合いが増えた」ことに繋がるのですね。
長江:そうですね。声優の輪が広がったことによって、プライベートでも交流が増えました。もともと人とご飯に行ったりレジャースポットに行ったりするのが好きなので、今はとても楽しいです。
――休みの日も家でゆっくりするよりも、人と会いたいですか?
長江:常に誰かと一緒にいたいですね。1人の時間はトイレだけでいいです(笑)。お風呂もできれば一緒に温泉とか行きたいですけど、仕方ないから1人で入っています(笑)。
――では、最近の趣味や面白かったことはなにかありますか?
長江:1年ぐらい前からインスタグラムを始めました。思い出をとっておくアルバムとしても使っているんですが、載せた写真を見たら本当に1人でいる時間が全然なくて(笑)。でも、「楽しんでる長江ちゃんがすごくいい」といったコメントをたくさんいただくので、もっとプライベートを見せていこうと思っています。ここでは声優の長江里加ではなく、ただの長江里加ですね。
――楽しんでいる写真は、見ている側も楽しくなりますからね。
長江:あとは、たこ焼きパーティーとか餃子パーティーとかホームパーティーをするのが好きです。そんな面倒くさいことよくできるね、と言われることもありますけど、お母さんもホームパーティーが好きで小さい頃はしょっちゅうやっていたんですよ。だから、たぶん遺伝かなって(笑)。
――遺伝もあるし育った環境ですよね。では最後に、前回は「アニメでドカンと大役を得て有名になりたい」と語っていましたので、次の目標をお聞かせ下さい。
長江:次の目標は長江里加のソロ曲を出してソロライブをすることです。占い師にも「何年後かにできるよ」って言われたので、それを夢見て頑張って突き進んでいこうと思います!
――ありがとうございました!
次回の「声優図鑑+」をお楽しみに!
長江里加
・「長江里加」声優インタビュー&ミニグラビア【声優図鑑】(2016/08/15)
◆撮影協力
撮影=山本哲也、取材・文=千葉研一、制作・キャスティング=吉村尚紀「オブジェクト」