「腰が痛いから運動を避ける」が間違いなのは知ってる?

健康・美容

更新日:2020/5/11

■いまの自分を見つめながら歩くと身体と心のバランスが整っていく

 本書では腰痛を軽減するための運動として3つの体操を紹介しているが、なかでも注目したいのは「マインドフルネス・ウォーキング」だ。

 マインドフルネスというのは、過去への反省や未来への不安を断ち切って、「いま」だけを見つめるという考え方。心を平静にして自分の身体のいまを見つめるマインドフルネスは、全身の筋肉をリラックスさせ、呼吸を整える作用がある。筋肉の緊張がほぐれると副交感神経が優位になり、自律神経のバランスが整っていく。その結果、腰痛の原因となる筋肉の緊張状態や感覚神経の過剰な興奮がなくなり、痛みが徐々に消えていくのだという。自己治癒力を上げていくことで、痛みが軽減されるのがポイントだ。

 このマインドフルネスに「歩く」ことを組み合わせたのが「マインドフルネス・ウォーキング」。歩き方は、「背すじを伸ばして、ややおおまたに、それでいてからだが緊張しないように、楽な気持ちを保ったまま少しスピードを上げて歩きます」というもの。このとき、「無心になり、今の自分だけを感じながら」歩くことが大切だという。マインドフルネス・ウォーキングで実際に腰痛が軽減した人の実例も紹介されているので、それを参考にして歩き始めてみるのもよいのではないだろうか。

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「腰が痛いから運動するのはちょっと……」というのはもう古い。むしろ、腰がいたいからこそ歩くことが大切なのだ。ちょっとした気持ちの切りかえで、軽い運動をすることが苦痛から楽しみになり、歩かないと気持ち悪いと感じる習慣になっていく。その過程で長年苦しんできた腰痛が楽になっていくのなら、それに勝る幸せはないだろう。腰痛に悩んでいる皆さん、無理のない範囲から歩き始めてみよう!

文=井上淳