今年も運が悪かった…という人は必見! 1日15分の簡単開運ヨガ。心身の疲労に効くポーズを紹介
公開日:2019/12/29
個人的な話で恐縮だが1年を振り返ってみると、今年はついていないことが多かったように思う。年明けには尾てい骨を骨折し、楽しみに計画していた旅行は台風が直撃してパアになった。来年こそはぜひともいい年にしたい!…そんな願いを密かに抱いていた時に『開運ヨガ』(皇村昌季/サンマーク出版)というユニークな書名が目に飛び込んできた。
巷にはさまざまな開運本が溢れているが、本書には古代インドの伝統ヨガ「ラージャ・ヨガ」に最新の「脳科学」の知見を取り入れた“願望実現メソッド”が記されている。著者の皇村さんは、インド中央政府公認のヨガインストラクター。作中ではイラストや写真を交え、1日15分でできる開運ヨガがわかりやすく紹介されている。
■なぜヨガで人生が好転するの?
ヨガと開運は一見つながりがなさそうに思えるかもしれない。でも、医学研究者としてヨガと脳・自律神経の関係を解明する研究を行っている皇村さんの解説を読めば、考えが変わるはずだ。
人間の心と体は“心身相関”といわれるほど連動している。体が緊張すると、心も緊張する。それは言い換えると、体を緩めると心も緩むということ。人間の心身は「交感神経」と「副交感神経」が正常に働くことで健康的に保たれているが、現代社会で生きる私たちは緊張を強いられることが多く、しばしばストレスにさらされている。すると、交感神経が過剰に働いて、消化器官の働きが抑制されたり血管や筋肉が収縮したりして、胃痛や肩こりなどの不調が表れやすくなるのだ。
また、ストレスを受けると脳の「扁桃体」という部分が反応し、交感神経の働きが活発になってストレスホルモン(コルチゾール)が分泌されるそう。コルチゾールが過剰になると脳神経細胞が破壊され、記憶や感情を司る海馬の一部が委縮してしまう原因にもなるという。
こうした状態がつづくと、個人本来の能力を発揮できにくくなるため、人生が暗転…。俗にいう「運が悪い人」になってしまうのだ。
開運ヨガで正しく体をメンテナンスできれば、副交感神経が活性化する。心身が緩んでストレスフリーになると脳神経細胞の破壊が止まり、心身に有害なストレス(ディストレス)は有用な「ユーストレス」に変わるのだそう。こんな風にストレスの質が変わると潜在意識につながりやすくなり、インスピレーションやひらめきが次第に湧いてくる。そうすると、自分の才能を開花させやすくなって、人生が好転するのだ。
■五大元素のポーズで心身を緩めてみよう
開運ヨガには、ヨガの理論的ベースであるサーンキヤ哲学の考えが取り入れられている。皇村さんは、この世界と同じく私たち人間も「空・地・火・風・水」といった、この世を司る五大元素の影響を受けていると説明する。そのため、五大元素のポーズで心身を緩めようと提唱している。
古代インドのスピリチュアル的観点と脳科学的な裏付けがある開運ヨガは、ポーズがシンプルなものが多いので、体の柔らかさは不要だ。本書からは皇村さんによる五大元素ポーズの誘導音声がダウンロードできるようにもなっているので、自宅にいながらヨガ教室にいるような感覚を味わうことも可能だ。
さらに、本書にはちょっとした「スキマ時間」にもできる開運ヨガを収録。筆者のようなデスクワークがつづく人にうれしいポーズもある。
実際に開運ヨガにチャレンジしてみると、心と体が脱力していく感覚があり、心身を緩めるとはなるほど、こういうことなのか…と納得できた。ふだん電車を利用することが多い方は、通勤時間にもできる「両足バランス」を習慣化してみるのもよいだろう。
自分の運気は自分の手で変えていくことができる。来年の今頃には「今年はいいことがたくさんあったな」と笑顔になれるよう、今から心身を生まれ変わらせてみてはいかがだろうか。
文=古川諭香