キュン死必至…! 高校時代の片想いの相手そっくりなイケメンが自分のクラスに!? アラサー教師の恋愛がとてつもなくうらやましい

マンガ

公開日:2020/1/12

『私の町の千葉くんは。』(おかもととかさ/講談社)

 アラサーに突入すると、将来を見据えたお付き合いを考えるため、「好き」という気持ちだけを見つめて、恋に突っ走ることが難しくなってくる。相手の職業や年収、家族構成に性格などを把握した後、自分と釣り合うかどうかを見極める恋愛は、大人なら仕方がないことかもしれないが、時々、雷に打たれたような恋が懐かしくなることはないだろうか?

 おかもととかさ先生の『私の町の千葉くんは。』(講談社)は、そんなアラサー世代にこそ読んで頂きたい「二度目の初恋」が描かれたマンガである。本作は、

女は子宮と頭で恋をするらしい 最近 頭でしかしてないけど ほしいのは いつぞやの衝撃

という、中々衝撃的だが、思わず大きく頷いてしまう一文で幕を開ける。

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 主人公は、出身高校で教師をする27歳の小野寺マチ。彼女は最近、胸が熱くなる恋愛をしていなかったものの、ある日、彼女のクラスにイケメンで色気のある転入生・千葉悠人が入ってくる。マチは彼を見てとても驚く。なぜなら悠人は、マチの高校時代の初恋(片想い)の相手・千葉悠一の弟で、高校時代の彼にそっくりだったからだ…!

 マチは高校時代、勉強もスポーツもできて学校の人気者だった悠一が大好きだった。悠一には彼女がいて、見ているだけだったのだが、大人になった今でも、10歳下の悠人が視界に入るたびに胸をときめかせてしまう。ちょうど合コンで知り合った人といい感じだったマチだが、何かとちょっかいをかけてくる悠人が気になり、「懐かしい」だけとも、どうも言い切れなくなってきて――!?

 本作は、何の打算も計算もなく恋に落ちたいアラサー女性や、イケメン好きの読者の心を全力でくすぐってくる。高校生の悠人はどうやら、マチは覚えていないものの、彼女と幼い頃の思い出があるようで、早々にマチに告白する。きまぐれでどこか動物的な悠人の行動にマチは振り回されっぱなしなのだが、その一方で、マチが悠人の存在を振り払うように参加した合コンで、なんと、悠人の兄で、本物の初恋相手である千葉悠一と再会するのだ。

 現在は、大手企業のエリートサラリーマンである悠一だが、マチは彼が結婚していることをフェイスブックで確認していた。しかし、その後、マチは悠一に「今度2人で会えない?」と誘われ、高級ホテルの鉄板焼き店へと連れて行かれるのである…。

 思っていることが全部顔に出る、正直者でユニークな性格のマチが、エリートで優等生の兄と、やんちゃでいたずら好き・高校生とは思えない色気を醸し出す弟に迫られる様子は、正直とてつもなくうらやましく、千葉兄弟と距離が急接近する大人のシーンでは、久々に鼓動が高鳴り、顔が熱くなってしまった。高校時代密かに恋をした人か、その弟か…!? どちらと上手くいっても幸せになれる予感しかしないのが少々憎いところだが、「二度目の初恋」の今後を、読者のひとりとして心の底から楽しみにしたいと思う。

文=さゆ