現役東大生が教えるひらめきのテクニック『QUEST』って!?/『「発想力」と「想像力」を磨く 東大アイデア』⑦

ビジネス

公開日:2020/2/6

「天才的なひらめき」や「センス」は必要なし!

「目的」「調査」「発想」――3つの仕組みで「使えるアイデア」を生み出そう!

偏差値35から東大に合格した、現役東大生の著者が試行錯誤のうえ完成させた“東大アイデア”を初公開!

この連載ではその一部、日常からアイデアを【発想】する技を紹介します。

『「発想力」と「想像力」を磨く 東大アイデア』(西岡壱誠/マガジンハウス)

Ⅲ 『QUEST』の実践テクニック

気づいたことを記録する

「疑問」を持つことの重要性、わかっていただけましたでしょうか?

 ここからは、具体的に日常から疑問を持つテクニック『QUEST』をご紹介します。

①アイデアが必要な「状況」を決める

 どんなアイデアを考えようとしているか考えて、そのアイデアがどういう状況で効果を発揮するものかを考えてみます。

 たとえば、商品のアイデアが必要ならその商品が売っている「お店」、地方創生のアイデアなら活性化させたい「地域」、ひとつの学問分野で論文のアイデアを考えたい場合はその「学問分野」、組織内の人間関係の問題を解決したいなら「組織」など、とにかく状況を決めてみるのです。

②状況を体験できる行動を取る

 次は①の状況に自ら入り込んで、そこにあるものを観察してみます。

 たとえば、『お店』ならそのお店に行ってみたり、『地域』ならその地域を観光してみたり、『学問分野』ならその学問の本を読んだりしてみましょう。一回行ったことがある、読んだことがあるものでも全然大丈夫ですし、むしろ自分にとって未知のものではないほうが望ましいです。何度もお話ししていますが、「当たり前」がキーワードです。

③実体験の中で、10個以上の「疑問」を持つ

 実際に行ってみて、観察してみて、学んでみて、その中から「疑問」を抜粋して付箋にまとめてください。「こういう商品が多いけど、どうしてだろう?」「観光地に行く手段ってタクシー以外ないのかな?」と、10個以上考えてみてください。

「10個も思いつかないよ!」と思う人もいるかもしれませんが、「思いつけるように観察しよう」としてみてください。『アウトプットのためのインプット』を心掛けるのです。

 もしそれでも「どうしても思いつかない!」という人のために、もうひとつ『CONCERN』(“自分事化”する)というテクニックがあります(113ページ参照)。ぜひそちらを実践してみましょう!

④その疑問について調べ、考察する

 付箋の疑問をノートに貼って、その下にその疑問について調べたことや自分の考えを書きます。

「この商品が多いのは、こういう理由かららしい」

「タクシー以外には手段はなくて、バスだと採算が取れないらしい」

「でも、タクシーだとお金がかかりすぎてしまうんじゃないかな?」

 など、思いつく限り書いてみましょう。

 ①~④は、「状況設定」→「体験(インプット)」→「疑問設定(アウトプット)」→「まとめ」という順番で行っています。

 本当は「状況設定」をしないで、普段生きている状況の中から疑問を作れるようになるのが理想的なのですが、何事にも「疑問を持つ」というインプットの経験が少ないとなかなかうまくいかないのです。

「日常」と言ってもすごくフィールドが広いですから、何から手をつけていいかわからないと思います。人間、選択肢が広いほうが逆に迷ってしまって何もできなくなってしまいがちです。

 そうではなくて、とりあえず自分のアイデアと結びつきそうな状況を想定して、そのための体験をしてみる……というわけです。こうすることで、疑問を設定することがやりやすくなるというわけです。

<第8回に続く>