人生を変えるお金との関係って? 人々だけでなく、全世界をも幸せにするHappy Moneyとは
公開日:2020/2/6
お金に対する感情は、人生の折々で変化する。あるときは自分と好きなモノをつないでくれる天使のようなお金も、自立後は一転して、自由を奪う悪魔に変貌することもある。
貸し借りなどを巡っては時に、人間関係もお金に対する価値観もネガティブなものへとこじらせてしまう。
こうしたお金に対する堂々巡りの感情に終止符を打ち、「これからの人生をお金と楽しく心安らかに過ごす方法」はないかと模索する、すべての方におすすめの1冊が、『一瞬で人生を変える お金の秘密 happy money』(Ken Honda:著、本田健:訳/フォレスト出版)だ。
本書は、これまで一貫して「お金と幸せ」をテーマに140冊以上の書籍を世に送り出してきた著者の集大成ともいえる内容で、本書のガイダンスを通して目指すゴールが「Happy Moneyの流れに身を置く」というものだ。
●人の幸・不幸を決めるのは、「お金との関係が良好か否か」
まずは著者のこんな言葉を贈ろう。
「実は、家計が火の車にもかかわらず、幸せな人たちを私は知っています。彼らはどうして幸せなのでしょう。それはお金との関係が良好だからです」。
また、仮に大金持ちになっても、お金との関係が良好な幸せな金持ちと、日々お金のことで頭がいっぱいの不幸な金持ちに分かれるという。
つまり多くの場合、人の幸・不幸を決めるのは、稼ぎや預貯金額、財産・資産の多寡ではなく、「お金との関係が良好か否か」による部分が大きいという。
お金との関係を良好にすることは、本書のゴールである「Happy Moneyの流れに身を置く」に向けた必須条件だ。
そこでまず本書は、自分とお金の関係を深化させるべく、お金のせいで苦しんだこと(過去のトラウマや古傷のチェック)や、自分がお金を欲しがる理由などと読者を向き合わせていく。
そのチェックポイントのひとつに「愛か怖れか」という項目がある。ここではどうすれば、だれもが抱きがちなお金にまつわる不安や怖れを手放し、お金と愛のある関係を築けるかが記されている。多くの人にとって必読ポイントのひとつだろう。
●大好きなことをやり、自分の特別な才能や資質を人と分かち合う
また著者は「お金のIQとEQ」という概念で、お金との関係を良好にする方法を紹介している。
お金のIQ(知能指数)とは、経済に関する知識のことで、稼ぎ方・使い方などについて、本書にはいくつかのアドバイスがある。そのひとつに、
「幸せで豊かな人生を目指すなら、大好きなことをやり、自分の特別な資質や才能を人と分かち合うことです」
というアドバイスがある。
これは重要なポイントで、自分を最大限に生かした仕事をすることは、「Happy Moneyの流れに身を置く」ための第一歩になるからだ。
Happy Moneyとは、感謝や愛の思いが込められて支払われ、同じく感謝や愛が込められて受け取られるお金で、一方のUnhappy Moneyは、嫌々ながらに支払い、ありがたさを感じられることもなく受け取られるお金である。
もし、あなたにしかできない仕事に就いていれば、会社やクライアントからは、感謝の込められたお金が支払われ、あなた自身も、仕事先に感謝してお金を受け取れることになる。
お金のEQ(心の知能指数)とは、「自分のお金に対する感情に対処するために必要な感性を意味する」という。
ここで著者は、成功者が行っているお金のEQ例として「分かち合う」という考え方を紹介している。
要約すれば、人生を豊かにするのは、お金、スキル、楽しみ、経験、サービス他、すべてを人と分かち合うことだという。より多く分かち合うことで、さらに多くの豊かさが自分にも流れてくるという。
その理由を著者は、分かち合いの原理が「自然の法則とつながっているから」だと説明する。そして、著者が本書で強調するお金との関係を良好にするコツが、どんな時でも「常に感謝の気持ちを忘れないこと」だ。
本書には、他にもさまざまな人物交遊録や著者のメンターからの学びのエピソード、自身の体験談も交えつつ、お金との関係を良好にして「Happy Moneyの流れに身を置く」ための数々のアドバイスが網羅されている。
●お金とは、人々の感情を運びそれを伝搬さえもする「エネルギー」である
最後にもうひとつ、お金とは、モノやサービスに対する単なる対価ではなく、人々の感情を運びそれを伝搬さえもする「エネルギー」であるという著者の教えを紹介しておこう。
著書はこう記している。
──お金が「喜び」や「感謝の気持ち」「幸福」をもたらす可能性があることを理解している人は、ほとんどいません。とりわけ、私たちがお金を受け取ったときと同じポジティブなエネルギーを添えて、お金を惜しみなく与えたときに、同じものが相手にも自分にも、もたらされることを知らないのです。
もし自分がHappy Moneyの流れに身を置くことができれば、それが周囲にも伝搬して、少しでも多くの人がお金にまつわる過去や未来の不安から解放されて、今を楽しく生きられる。
著者によれば、これは絵空事などではなく、Happy Moneyの広がりは、国、世界にも大きなポジティブな変化を与えるという。
本書は、そんな地球の未来予想図も視野に入れた、ワクワクとした挑戦を勧める1冊であることを最後に付け加えておこう。
文=町田光