お会計の時に「おあいそ」と言う本当の理由は? /日本人の9割が知らずに使っている日本語④
更新日:2023/2/22
ウソをつくなというとき、なぜ「ウソいえ!」と反対にいうの?
…外国人にそう聞かれたら、日本人としてきちんと答えられますか。いわれてみると確かに疑問だらけの「いつもの日本語」を再発見してみましょう!
雑学・豆知識としても役立つトピックを『日本人の9割が知らずに使っている日本語』(岩田亮子/青春出版社)から紹介します。
居酒屋などでお金を払うとき なぜ「おあいそ」と言うの?
飲食店で食事を楽しんだ後、店員に向かって「おあいそ、お願いします」と言っている人を見かけたことがあるでしょう。あれは「お勘定(かんじょう)をお願いします」という意味ですが、「おあいそ」が、なぜその意味になるのでしょうか。
「おあいそ」を漢字で書くと「お愛想」です。「愛想」とは、相手に対する好意や信頼のこと。それがなくなる「愛想尽かし」を省略し、丁寧の「お」を付けたのが「お愛想」です。
もともとは、お店側がお客に勘定を支払ってもらうときに、「愛想尽かしなことで申し訳ありませんが、お会計をお願いいたします」というようにしていました。
そこから、お店側がお客に対して「お愛想をお願いします」と言えば、「お勘定を支払ってください」を意味していることになり、さらに転じて、現在のように「お勘定」そのものを意味する言葉となりました。
もともとは、お店側がお客に対して使っていた言葉なので、お客が店員に「お愛想」と言うと、「この店には愛想が尽きたから、さっさと勘定してくれ」という意味になるとも考えられます。
そのため、「客が使うのはおかしい」という考えもあるようですが、お勘定のことを「お愛想」と言ってもおかしくないでしょう。いまや国語辞典にも「お愛想」には「お勘定」という意味があると記されています。
ただ、もしお店に対して失礼になるのでは、と気になるなら、「お会計」や「お勘定」などと言い換えてみましょう。
【次回に続く】