ぽっこりお腹には“そる腹筋”が効果的だった… 重力との勝敗がお腹と姿勢を決める!/『「そる」だけでやせる 腹筋革命』②
公開日:2020/2/22
寝て起き上がる“縮める腹筋”はもう古い! 10秒“そる”だけでカラダが変わる魔法のエクササイズが誕生しました。「驚くほど簡単にぽっこりお腹を解消できる」と話題の「逆腹筋」メソッドを解説。さあ、一緒に腹筋革命を起こしましょう!
重力に押しつぶされて飛び出すお腹
そもそも、私たちのお腹は、なぜ前へと飛び出してしまうのでしょうか? 実は、皮下脂肪や内臓脂肪は、お腹がぽっこりする原因の1つでしかありません。
お腹がぽっこり出てしまう主な原因に、「重力による押しつぶし」があります。
人間の体には、直立姿勢を保つ筋肉が常に働いていますが、車やスマホに頼る便利な生活を送り、あまり筋肉を使わない生活を続けていると、筋力の衰えが進行。そのうち重力によって体が押しつぶされ、よい姿勢を維持できなくなります。
背中は丸く猫背になり、骨盤もまっすぐ立てられなくなり後傾。腰が落ちて、胸はつまり、顔は前に出て、ついにはお腹が飛び出して、そこにどんどんお肉がたまっていくのです。
「背中が曲がる」「腰が曲がる」というと、老化現象のように聞こえますが、それだけではありません。姿勢を維持する筋力が重力に負けた結果です。ですから最近では若い子でも、やせているのに猫背で腰が落ちていてお腹だけぽっこりしている人が増えているのです。
高齢でもお腹がペタンコで、姿勢もシャキッ! スラッ! としている方はたくさんいます。「もう年だからお腹が出ちゃう」は単なる思い込み。重力に負けない筋力と姿勢を手に入れれば、おのずとお腹も凹んできます。そして、後述するようにヤセ体質になり、体重も減る好循環へと入っていけるようになるのです。
猫背の「内臓押しつぶし」でお腹ぽっこり
重力に負けてよい姿勢を保てなければ、どんなに運動や食事のコントロールで体重を落としても、永遠に「お腹ぽっこり体型」から卒業できません。
なぜなら…、あなたのお腹からぽっこりと飛び出しているのは、「行き場を失ったお腹の中身」だからです!
イメージしやすいように、説明しましょう。
猫背になると、左ページのイラストのように胸が縮み、肋骨の位置も落ちてきます。すると、落ちた肋骨がその下にある内臓を押しつぶします。しかし、お腹のスペースには限りがあるため、押しつぶされた内臓は行き場をなくし、前に飛び出ます。それが、ぽっこり腹になる一因です。
肋骨の落ちた姿勢を正さずに、いくらお腹の筋トレをしても、お腹の中身は飛び出したまま。結局、お腹はスッキリとしません。まずは落ちた肋骨を引き上げて、お腹の中身を収納できるスペースをつくってあげることが先決です。
そもそもお腹にスペースがないのに、「お腹を凹まそう!」と縮める腹筋で締め付ければ、心臓や内臓が余計に圧迫されます。やせるどころか、血圧が上がったり血流が悪くなったりで、実はけっこう危険なのです。
座りっぱなしで代謝が落ちてお腹ぽっこり
今の世の中は、わざわざ自分で動かなくても何でもできる便利な世界。買い物はインターネット、仕事はパソコン。移動時も自家用車やタクシー、エレベーターを使い、歩く機会さえ失われています。
体を使わなくなれば、筋肉は「必要のないモノ」と認定され、どんどん衰えます。筋力が落ちると動きづらくなり、動きづらいと動くのがイヤになって、さらに自分で動かなくなる…という悪循環に。
特にスマホが手放せない現代人や、デスクワークが中心の社会人は深刻です。座りっぱなし、あるいは前かがみや猫背の「下向き姿勢」で多くの時間を過ごすため、骨盤や股関節、姿勢に関わる筋肉が働かなくなります。骨盤を支える筋肉が衰え、骨盤はどんどん倒れていき後ろに傾く…。それがお腹ぽっこりをさらに加速させてしまうのです。
また、人はどうしてもラクな姿勢を取りがち。そして多くの人は脱力した姿勢がラクだと感じてしまいます。
ラクに感じるのは、脱力姿勢は筋肉が働かず、エネルギーを消費しないから。代わりに、靭帯や関節で「つっかえ棒」のように姿勢を支えているのです。このとき、体には大きな負担がかかっていますが、疲労はほとんど感じません。
体を使わない、歩かない。座っている間も筋肉を使わない。筋力、体力、気力がそろって落ちて、代謝も落ちて太っていく…という、悪循環に陥っているのです。