「女性の薄毛」の主な要因はふたつ。原因を見極めて落ち着いて対策を

健康・美容

公開日:2020/2/28

 女性特有のからだの不調やトラブルで悩んでいませんか。「お医者さんに行くほどではない…」「デリケートなことなので人には聞きにくい…」そんな体の悩みを、All Aboutガイドであり、ポートサイド女性総合クリニック・ビバリータ院長の清水なほみ先生に聞きました。自分のからだと向き合い、健やかに過ごす手助けとなってくれることでしょう。

 女性は男性と比較すると、頭髪の脱毛に悩む方は少ないのですが、ホルモンの影響を受けて頭髪が抜けやすくなる時期があります。頭髪の脱毛は、男性ホルモンが作用して起きる場合と、女性ホルモンが不足して起きる場合があります。ホルモンバランスの異常によって、男性ホルモンの分泌が過剰になり、その影響を受けることもありますが、女性の脱毛の原因として多いのは女性ホルモン不足によるものです。

 病気ではなく、正常な過程として女性ホルモンが急激に減ることがあります。ひとつは産後の無月経期間、もうひとつが更年期と呼ばれる時期の閉経後です。

 産後は、妊娠中に多量に分泌されていた女性ホルモンが一気になくなります。その後も、授乳していれば卵巣機能は抑えられているため、人によっては何カ月間も無月経期間が続きます。無月経の間は、女性ホルモンが極端に低くなっていますから、女性ホルモン不足による体調の変化が出やすいのです。そのため、産後3~6カ月ごろから頭髪が抜けやすくなる場合があります。産後の脱毛は、ほとんどが一時的なものであり、その後月経の回復とともに改善してきますが、人によっては、妊娠出産を繰り返すたびに徐々に頭髪が薄くなってしまったという方もいらっしゃいます。

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 更年期にも、女性ホルモンは減っていきますし、閉経後はほとんどホルモン分泌がない状態になります。そのため、頭髪のコシやハリがなくなったり、頭髪量そのものが減って、全体的に薄毛になってしまうことがあります。ただ、ホルモンの影響がどのくらい出るかは個人差が大きいため、更年期世代の方が全員薄毛になるわけではありません。頭皮の血行の良さや、皮膚そのものがダメージを受けているかどうかなども関係していると考えられます。

 産後の無月経期間中はある程度様子を見るしかないケースも多々ありますが、更年期の症状はホルモン補充療法で軽減できる場合もあります。月経不順とともに何となく薄毛が気になり始めたら、婦人科で相談してみるのもよいでしょう。