3位「お前のスイーツな考えはキャラメルフラペチーノの上澄みを超える甘さかもしれん」

　多くの女性はこれまでに数多くのダイエット本を読み漁り、新しいダイエットメソッドを続々と試しては挫折し、自らの学習能力のなさに辟易しながらも、本書を手に取ったわけだ。そんなわたしたちに、テキ村は容赦なく言い放つ。「甘いんだよ。激甘」――。いきなりカウンターを食らう羽目になる。

2位「人間は水を飲んだり食べ物を食べたり排せつをしたり汗をかいたりするんだから水の増減がないわけないだろ、エイリアンかお前は」

　ダイエット中はとかく、体重の増減が100グラム単位で気になるものである。しかしテキ村曰く、「筋トレをしながらダイエットを行った場合、筋肉の方が比重が重いため、脂肪が減っていたり見た目がスリムになっていたりしても体重に表れないこともある。ましてや短期で見る体重の増減は大半が水分の増減である」とのこと。そしてこのひと言である。「エイリアンかお前は」……いえ、人間です。一喜一憂せず、ダイエットに励む所存です。

1位「食事制限下に置かれたデブは、全裸で寝そべった明日花キララを目の前にした童貞中学生と同じ状態なのだ」

　そりゃあ、我慢できないッスよ、テキ村先生！　もう食べるしかないじゃないですか！　しかしテキ村は畳み掛けてくる。「『なーんだ、何か新しいダイエット方法かと思って期待しちゃった。新しいものが書いてないなら、そんな本読む価値ないじゃん』とか言うデブの鑑みたいなヤツいるじゃん。そんなに新しいモノが好きなら穿くだけで痩せるタイツで首を絞めあげた後に水素水で水責めするから名乗り出てほしい」――。問答無用。わたしたちはもう、やるしかないのだ。

　本書には、真新しいダイエット方法が書かれているわけではない。知識としては、これまで幾度となく読んだり聞いたりしてきたことばかりだ。しかしそれらを実践できたことがあるかと問われると……ない。「知ってはいたけどやらなかったこと」を「今度こそやる」ためのメンタルを、テキ村はこれでもかと授けてくれる。そして「でも……」と反論しようものなら、「お前はしゃべる脂身かよ」と罵声を浴びせてくる。読むだけで痩せてしまいそうな辛辣な名言の数々とともに、今日からダイエットに励もうではないか。

文＝尾崎ムギ子