忙しい社会人向け、超時短読書術。頭のいい人はどういう読み方をしている?
公開日:2020/3/6
社会人の1日はあっという間だ。満員電車に乗り、オフィスで働き、帰宅して食事をする。これだけでもざっと10時間はかかるだろう。さて、残りの時間を何に費やすかは悩ましい。できれば本を読んで勉強し、趣味だけでなく今の仕事や今後のキャリアにも生かしたい。そう思っていても、なかなかまとまった時間を確保できず、なんとなくスマホやテレビを眺めて終わってしまいがちだ。
本を読む大切さは十分にわかっているつもりでも、時間がない、疲れて集中できない――なかなか読書できない理由は、こんなところではないだろうか。紹介する『頭がいい人の読書術』(尾藤克之/すばる舎)は、そんな忙しい社会人にこそ読んでほしい1冊。
本で勉強しようと思うと、教科書を開くように端から端まで丁寧に読み込まなくてはと思ってしまうが、そこまで時間をかける必要はないという。著者の尾藤氏は、なんと1冊10分で読むそうだ。書籍をニュースサイトで紹介する際も同じ。いったいどのように内容を理解しているのだろうか?
本に書かれている「共通ポイント」を見つけるのがカギ!
文章を一字一句追うのではなく、うまく読み飛ばしながら要点を掴んでいく。これが尾藤氏の読み方のエッセンスだ。ビジネス書や実用書には、内容に必ず「共通ポイント」がある。たとえばどんなジャンルの本でも、読んでわかりやすいように「基本」から入るし、本質的な部分では似たような主張になることも多い。そのため、同テーマの類書を読んでいけば、一言一句読まなくても脳内で補完できるようになるのだ。また、注釈や具体例の記述も、本筋が理解できていれば詳細にすべてを追う必要はない。「ここは大丈夫」と思ったらどんどん飛ばしてサクサク読み進め、まず大枠で本のテーマを把握しよう。
本書では、さらに高度な「3分の1リーディング」についても紹介している。これはなんと、ページの3分の1しか読まずに内容を把握する方法。図解入りで解説されているので、気になった方はぜひ本書を参照していただきたい。
本の出だしがつまらない…そんなときは?
いざ意気込んで本を読み始めてみたのに、なかなか気乗りせず、ページをめくる手が進まないことがある。たいていの場合は、内容が退屈だと感じるときだ。「せっかく買ったんだから」「後からおもしろくなるはず」と我慢して読み、何度裏切られてきたことか…。
尾藤氏は、本の冒頭がつまらなければ、読むのをやめてもいいとバッサリ。ビジネス書の場合は、読者の気持ちを掴むため冒頭にイチオシのネタを持ってくるものだ。そのため、第1章を読めばメインの主張はある程度予測できるし、自分に「合う/合わない」もはっきりするのだ。
実際、筆者も読書の際に、必ずすべてのページを読み込んでいるわけではない。目次や見出しを目印にして、まずサクサクとページをめくる。目新しいトピックやキーワードを見つけたら、その部分を深く読み込んでいく。尾藤氏のように1冊10分とはいかないが、コツをおさえれば、短時間で要点を掴むことは可能そうだ。社会人は忙しくても、スキマ時間がたくさんあるもの。通勤時間、昼休み、寝る前の30分…忙しさを言い訳にする前に、本の読み方を変えてみよう!
文=中川凌(@ryo_nakagawa_7)