知ることから始める防災。地震が起きるメカニズムとは?/『地震イツモマニュアル』①

暮らし

更新日:2020/8/31

特別なことはしなくていい、「イツモの暮らし」が備えになる。ベストセラー『地震イツモノート』の実践版。

『地震イツモマニュアル』(地震イツモプロジェクト:編、 寄藤文平:絵、NPO法人プラス・アーツ:監修/ポプラ社)

はじめに

 この本の前身、『地震イツモノート』が発行されたのは2007年のこと。

 阪神・淡路大震災の被災者167人の声と工夫をまとめた一冊です。それは、防災を身近に考える「キモチ」の防災マニュアルでもありました。

 あれから12年。地震はまた、起こりました。

 でも人は、悲しみから学びます。強くなってもきたのです。

 今、地震はすぐそばにある。そう感じる人も多いのではないでしょうか。

 これまで蓄積してきたたくさんの知見を、今こそ、誰もが「使える」かたちにしよう。私たちはそう考え、『地震イツモノート』の実践版をつくりました。

 あの被災地の声から学んだこと。それはこの本のスローガンでもあります。

「Save Yourself」、自分の身は自分で守ること。

「モシモ」ではなく「イツモ」、地震とつきあっていくこと。

 すぐできそうなこと、ひとつでも。そのイツモが、あなたをきっと守ります。

日本という国で暮らすことは、地震と一緒に生きていくこと。

 地震。とてもざっくり言うと、それは地球の表面が動くときの揺れです。地球にとっては当たり前の動きですが、私たちには大災害につながります。

 地震を起こす地表の動きには大きく2つのタイプがあり、起こりえる被害の様相も変わります。

 今後想定される大地震については、国や自治体が被害想定を出しています。まずは地震を理解する。

 そして「自分たちに起こること」を、想像する。

 それが、防災のはじめの一歩です。

日本のまわりの4つのプレート

 日本の周辺には、ユーラシア、北アメリカの陸のプレートと、フィリピン海、太平洋の海のプレートの4つがひしめき合っています※。上昇しては地表で冷やされて沈んでいくマントルの動きに合わせ、プレートも少しずつ動いています。

「プレート境界型地震」のメカニズム

 プレート境界型地震は、数十年から数百年の間隔で発生しており、マグニチュード8クラスの巨大地震となり、大きな津波を引き起こすこともあります。

「内陸活断層型地震」のメカニズム

 プレート境界型地震に比べ規模が小さい地震が多いですが、地下の浅いところで発生するため、大きな被害を伴うことがあります。

<第2回に続く>