新型コロナの影響で参考書・学習ドリルの売上が上昇。出版社では絵本のプレゼント企画や児童書の無料公開も
更新日:2020/3/11
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大が続くなか、2020年2月28日は政府が全国の小中学校や高校に向けて臨時休校を要請。子どもたちが自宅で過ごすようになった影響から、現在書店では児童書や学習ドリルの売上が飛躍的に伸びているようだ。
日本出版販売(日販)が発表した「総合週間ランキング」(3月3日調べ)によると、2月24日~3月1日の売れ行き上位20冊に小学校1年生~3年生向けの学習ドリルが5冊ランクイン。トップ100までのランキングでも文響社の「うんこドリル」シリーズなど17点がランクインしたが、前回の集計期間ではトップ100までに学習ドリルは1点も含まれていなかったという。
またダイヤモンド社に関しては、臨時休校が発表された2月28日からすべての児童書の売上が急増。特に本郷和人が監修を務める『東大教授がおしえる やばい日本史』は、2月28日からの2日間で約4倍にまで売上が伸びる事態となっている。
大手通販サイト「Amazon.co.jp」の「本の売れ筋ランキング」(3月10日7時時点)でも『日本一楽しい総復習ドリル うんこ総復習ドリル 小学1年生』が8位にランクインするなど、「うんこドリル」シリーズが好調な売れ行きを示している様子。同シリーズを刊行している文響社に話を聞いてみると、休校要請が発表された後の売上は昨年の同時期と比べて7倍程度増加しているとのこと。「書店からの注文が殺到している状況」となっているそうで、担当者は「これまでにない状況に驚いている」とコメントしていた。
そのほか一部の出版社では、休校中で自宅にいる子どもたちに向けたプロジェクトを実施するところも。たとえば文芸社では3月4日から、本の無償配布プロジェクト「for you」第1弾をスタート。これは初回受付100名に対して、文芸社が毎年2回開催する「えほん大賞」受賞作を10点セットでプレゼントするという企画だった。
文藝春秋は3月19日(木)までの期間限定で、小中学生向けにセレクトした33タイトルの電子版をAmazonのKindle無料本コーナーにて配信。あさのあつこの『I love letter』を始めとした小説や、池上彰の『世界を変えた10冊の本』など雑学系の書籍まで、幅広いジャンルがラインナップされている。
またKADOKAWAは児童書サイト「ヨメルバ」にて、200冊を超える児童書の無料公開を実施中。公開期間は4月5日(日)までの予定で、『角川つばさ文庫』の人気シリーズ「怪盗レッド」「オンライン!」などさまざまなタイトルが閲覧可能に。
自宅学習の教材となる参考書を公開する出版社も多いようで、かんき出版では学習参考書45タイトルを無料公開。3月31日(火)までの期間限定で、小学校低学年向けの「カピバラさんドリル」シリーズなど人気参考書の数々を公式noteから閲覧できる。また誠文堂新光社は特設サイトにて、子ども向け科学雑誌『子供の科学』のバックナンバー1年分を4月5日(日)まで無料公開中。
この機会に子どもと一緒に気になる本をチェックして、読書の楽しみを再発見してみてはいかがだろうか。
(情報は、2020年3月10日時点のものとなります。)
・文芸社『本の無償配布プロジェクト「for you」』特設ページ: https://www.bungeisha.co.jp/news/article_30_46.jsp
・児童書サイト「ヨメルバ」: https://yomeruba.com/
・かんき出版 公式note: https://note.com/kankipublishing/n/ncb6b9043c16f
・『子供の科学』無料公開 特設サイト: https://www.kodomonokagaku.com/20200305/