全寮制の女子校の完璧美少女は、実は男の子だった! スリルとときめき満載のラブコメ漫画『リバース×リバース』
公開日:2020/3/14
表紙には、黒髪ボブの少女と、メガネをかけたお下げ髪の少女、揃った制服を着たふたり。
百合作品を思わせる表紙だが、裏表紙には黒髪のイケメン。
白泉社の王道、女装男子作品の登場である。
表紙の黒髪美少女は学校でも有名な完璧美少女・雪野楓(実は男子)、そして隣のメガネ少女は今回の主人公・七瀬雛。
このふたりの出会いから始まる。
過去のトラウマにより男性恐怖症になってしまった雛は、男と無縁の全寮制の名門女子校へと入学。通学中に駅でハンカチを拾ってくれた男性にパニックを起こしてしまう雛を助けてくれたのが完璧美少女・雪野で…!?
非の打ち所のない雪野を、雛は中学時代からひっそりと書いていた自作の小説に登場する「マリアンヌ様」を重ね合わせ盛り上がるが、雪野は実は男。そのうえ、ふたりは同室になり…!? その秘密を抱えたまま始まる、ふたりの同室生活は!?
もちろん男性恐怖症の雛は、自分と同室の完璧な美少女が、実は男の子だったなんて、夢にも思っていない。また、ふたりの問題はそれだけでは終わらない。実は雛が男性恐怖症になるきっかけは、幼少期の楓が原因だったのである――。
自らが雛のトラウマの原因であるという罪悪感を密かに抱えながら、彼女と生活を共にする楓。おまけに、なんと雛は楓にとって初恋の相手だというから、話はさらにややこしくなっていく。「雪野楓」としては雛に懐かれているものの、男の姿になった途端に彼女に怖がられてしまう場面は切ない。
また、雛は雛で、雪野と一緒にいるときに胸がときめくことに気づく。果たしてこれは、単なる憧れなのか、それとも雪野を恋愛対象として見ているのか、はたまたその奥にいる男としての楓に対する特別な想いなのか……まだまだそれは当の本人にもわからない。
表面上は少女同士であるふたりの関係はどのように発展していくのか。この、先の読めない展開に期待が膨らむ。ときめきもスリルも満載の第1巻である。
文=園田菜々