男女の会話食い違い辞典「はぁ? なんでオレ怒られてんの?」とならないために
更新日:2020/3/13
何かしらのタイミングで、どんな夫婦もモメることがある。きっかけとなるのはほとんどが会話のすれ違い(のはず)で、ささいな行き違いがときには数日間にわたる冷え切った空気を生み出してしまう場合もある。
夫婦といえど元々は他人だし、男女の違いから心の機微が異なるということも昔からよくいわれるが、どうせなら波風立てず平穏に過ごしたいというのが本音。そこで、危機を回避したい人のために紹介するのが、『だからモメる! これで解決! 男女の会話答え合わせ辞典』(男女のすれ違い検証委員会/ディスカヴァー・トゥエンティワン)だ。
夫婦間でよくかわされる言葉をもとに、男女がそれぞれどんな意味合いでとらえているのかを五十音順で取り上げる本書。この1冊さえあれば、日常生活でのいざこざも防げるようになりそうだ。
【ご】「ごめん」の一言では女性は納得しない
連絡もなしに遅く帰ってきた夫へ、般若のような顔をして詰め寄る妻――ドラマなどでもよく描かれる構図。そんな場面で「謝ってよ!」といわれて、とっさに「ごめんごめん」と返しても、妻の機嫌はいっこうに直らないかもしれない。
本書の解説によれば、「ごめん」の一言でも、男女によって意味のとらえ方は違う。男性にとって「ごめん」という言葉自体は“最上級の謝罪の意”だが、女性が求めているのは言葉の先にある“理由”であり、ただ謝られても、自分が「何に対して怒っているのか」「何に傷ついたのか」を理解されていないと考えるため、不満を解消できない。
それならばどうすべきかというと、男性は「ごめん」とつぶやくに至った気持ちをきちんと説明する必要がある。反対に女性側から見れば、男性がもしそれしかつぶやかないような状況ならば、それは「自分から折れることができない」というメッセージなので、もはや時間の無駄ととらえ突き放してしまうのも一手だという。
【き】男性が記念日を忘れるのは愛情がないから?
「記念日」についての考え方も、じつは男女間で相当な開きがある。男性にとって記念日は「重要な出来事があった日」だが、女性にとっては「大事なことを思い出すための日」なのだ。
差が生じる理由は、そもそも“過去”に対する認識が違うため。男性からみると過去は単なる思い出であり、日頃から「過去よりも未来」と考えながら日々の生活をこなしているふしがある。一方女性は「過去があっての今」と考えており、記念日をとりわけ2人(や家族)の歩みを振り返る“大切な日”と位置づけている。
こういう背景を踏まえると、夫が結婚記念日を忘れるというシチュエーションに仮に出くわしたとしても、それは愛情の深さとは無関係だ。とはいえ、たがいに満足できるような記念日の過ごし方を、日頃から相談しておくのが夫婦円満の秘けつだ。
【や】理不尽な「約束」は、突っぱねる勇気も持つべき
約束した時間にルーズだったり、何度いわれても悪いクセが直らなかったり…。たがいに何かを「約束」するのも夫婦にありがちな場面。だがじつは、約束に対するとらえ方も、男女間ではすれ違いがみられる。
男性にとって、約束とは「取り決め・ルール」として絶対的なもので、ある程度不自由を強いられるものだと思っている。一方女性は、約束自体が願望をたよりにした「相手をコントロールするための取り決め」と考えていて、交わしたからにはどれほど理不尽であっても「必ず守るものだ」と信じているという。
ドラマや映画などだと、とりわけ女性側が約束させたがる場面をよく見るが、男女間で一度交わしてしまったのならば、男性は少なくとも「守っているふりをする」のを心がけるのが大切だそう。もし約束内容に納得できないのであれば、事前に「これは約束できない」という態度を示しておくほうがよさそうだ。
「ケンカするほど仲がいい」といわれるが、たがいにぶつかり合うことができるのは、それほど相手に何かを求めようとする“愛情”があるからこそでもある。男性も女性も、本書を開いて、ぜひ日々の夫婦生活に役立ててほしい。
文=カネコシュウヘイ