母親が幸せなら「子どもの自己肯定感」もアップする! 誰でも取り組みやすい14の行動習慣
更新日:2020/3/17
日本の子どもの自己肯定感が下がっていることが懸念されている。子どもの自己肯定感を高めるための方法は、さまざまな本で紹介されている。しかし、母親の自己肯定感については多くは言及されていない。実は、母親の自己肯定感が子育てに大きな影響を与えるという説があることをご存じだろうか。
コロンビア大学で修士号をとった気鋭の心理学者である著者による『お母さんの自己肯定感を高める本』(松村亜里/WAVE出版)は、子どもが安定した自己肯定感と幸せを掴み取るためには、母親の自己肯定感を高めることが必要不可欠だと述べる。ただし、「子どものためだけに」変わるのではない。母親が素直に自分の人生を楽しむことが大切なのだ。
本書は、母親の自己肯定感をアップさせるための14のワークを紹介している。
例えば、本書で紹介されている1つ目のワークは「感謝の種を見つけよう」。感謝はされてこそ自己肯定感が高まるように思えるが、本書によると感謝はすることでネガティブな感情を溶かすため、感謝をよく表せる人ほど、不安にかられる、落ち込む、嫉妬する、孤独感を覚えるなどが少ない。しかし、感謝することに慣れていない人にとっては簡単ではない。
感謝するためには、種を見つける必要がある。本書によると、種を見つけるコツは、「すごくいいこと」を感謝の標準にしないこと。言い換えれば、毎日の中にある当たり前の出来事に感謝を見出すよう努める。「今日飲んだコーヒーが美味しかった」「実家の母に電話をして話を聞いてくれた」…だから「ありがとう」くらいでよいのだ。どんな物事にも、肯定と否定の両面がある。これは、いわばポジティブに見るワークだ。この視点が手に入れば、感謝上手になれる。わが子と一緒に感謝の種がたくさん見つけられるようになれば、親も子も自己肯定感が高まり、一挙両得だ。
また、「食べてすっきり、心が調う1週間」というワークもある。タイトルどおり、食べて自己肯定感を高める魅力的な方法だ。血糖値が低いと、イライラを我慢できずに衝動的な言動に出る。これにより、自己肯定感が下がる、というメカニズムだ。ただ食べれば良い、というわけではない。本書は、低血糖を予防する食べ方を紹介している。イライラを防ぎ、いつも穏やかな感情を保つためには、血糖値の高低差を小さくする必要がある。肉、魚、野菜、ナッツ類など、消化に時間がかかり、ゆっくりと消化吸収される食べ物がおすすめだ。逆に、白いもの(精製されたもの)や炭水化物は控えたほうが良い。旬のものは栄養価が高く、ビタミンやミネラルを損なうことなく摂り入れられるため、こちらもおすすめしている。
この他、本書では「自分の“夢中”を再発見するワーク」「大切な人と過ごすワーク」など、母親が素直に自分の人生を楽しむためのワークが具体的に紹介されており、誰でも取り組みやすい。
ちなみに、これらのワークは、いまニューヨークで流行しているポジティブ心理学をベースにしている。各ワークのシートと連動させながら行うと効果的なので、本記事で興味をもった方は、ぜひ本書を手に取ってもらいたい。
母親は犠牲になるばかりの存在ではない。気になる人は、ぜひ本書で自分の価値を再発見してもらいたい。
文=ルートつつみ