橘さんは読書家としてもよく知られ、EXILE mobileの中に「たちばな書店」も開設している。その橘さんが「これは本当に素晴らしい」と熱くすすめるのが、『Ank』だ。実は、著者の佐藤さんとは意外な縁があった。

「きっかけはジャーナリストの丸山ゴンザレスさんなんです。僕、丸山さんと飲みにいくんですけど、彼が佐藤さんと仲が良くていつも一緒にいて。僕も佐藤さんに紹介してもらったんです」

　さらにその交流は広がって……。

「ゴンザレスさんは、京極夏彦先生とも仲がいいんですよ。かつて、ゴンザレスさんを通して京極先生に『魍魎の匣』の舞台化をお願いして、僕が主演させていただいた経緯があるんです。それで、佐藤さんとゴンザレスさん、僕で京極先生のお宅にお邪魔したことがありました。いや、京極先生と佐藤さんが話しているとテーマが深すぎて、僕なんか全然ついていけませんでした（笑）。佐藤さんの前作、江戸川乱歩賞を取った『QJKJQ』も最高なので、それもぜひ皆さんに読んでいただきたいです」

　橘さんは、EXILE THE SECONDから『EXILE THE SECOND THE BEST』を発売したばかり。THE SECOND from EXILEとして2012年に始動して以来、初のベストアルバムとなる。

「これまでのシングルがすべて入っていますし、SECONDの歴史が感じられるアルバムになっていると思います。SECONDはメンバーも音楽も個性的で、最初はちょっとぶっ飛んだ感じの曲も多いんです。でも2014～15年あたりから、さらに等身大で大人っぽい楽曲になってきますね。SHOKICHIはずっと自分の音楽を作りたいと言っていたんだけど、それをSECONDで具現化して曲をプロデュースするようになって、さらにAKIRAが加入して、そうやって徐々に変化していった。僕らはみんなEXILEのメンバーでもあるので、その中でSECONDをどうしていくのか、というのをより具体的にイメージするようになってきたと思います」

　当然どの楽曲も思い出深い。しかし中でも橘さんの推しは？

「『Route 66』でしょうか。この時期は海外でも聴いてもらえる曲を意識していて、幸運なことにミュージック・ビデオをアメリカのトップクリエーター、デーブ・メイヤーズさんにお願いできました。撮影はロサンジェルス。日本で撮るとどうしてもスケジュールが、がっちり決まっていますよね。でも、デーブさんはほとんど何も決めず、ただそこで僕らに『踊って』と。それを自然に撮ってくれる。その雰囲気がすごく素敵で、SECONDにも合っていると思いました。とても貴重な体験でしたね」

　橘さんは『EXILE THE SECOND THE BEST』は、SECONDのこれまでの歴史であると同時に、未来への一歩だという。では最後に、SECONDが目指す未来とは？

「このアルバムの初回限定版には、NESMITH の撮ったフォトブックが付いています。そういうふうにSECONDのメンバーは一人一人がプロジェクトを持っているので、それをどんどんSECONDという場で実現できたらいいですね。グループを持続して成長させるために、幅広い活動も大切です。これまでライブではメンバー同士が絡んだりしていたんですけど、それをもっと別の場面にも広げてみたいです。例えばコントとか（笑）。僕たち自身、あらためてアルバムを聴きながら将来を考えていきたいと思います」

EXILE THE SECOND　レーベル：rhythm zone　通常盤：CD2枚組3000円、CD2枚組DVD付き6500円、CD2枚組Blu-ray付き6500円（すべて税別）　初回限定盤：CD2枚組DVD付き8500円、CD2枚組Blu-ray付き8500円（すべて税別）
●THE SECOND from EXILE、EXILE THE SECONDを通じての初のベストアルバム。最新曲「瞬間エターナル」も収録。初回限定盤にはフォトブックを同梱。