おしゃれなママっていわれたい! 共感必至、感動の時短メソッド満載コミックエッセイ
更新日:2020/3/18
“ママだから”と色々と諦めているお母さんたちに、ぜひ読んでほしいコミックエッセイが『おしゃれなママっていわれたい!』(あきばさやか/マイナビ出版)だ。
大変な育児の中、共感できる“あるある”を笑いとばしたい、育児中のおしゃれノウハウを知りたい、そんなひとは必読である。なぜなら本作には、おしゃれに関してママが思わず共感できるトホホな実体験が満載。さらにすぐ試せる育児期間のおしゃれテクニックが描かれているからだ。
最後まで読めば“ママだからおしゃれを諦める”べきではないと気づくはずだ。逆に“ママだからおしゃれを楽しもう”という気にさせられるはず。
目指せおしゃれママ! でも…みんなが共感できるトホホな“あるある”が満載
著者でイラストレーターのあきばさやか氏は、もともと「クローゼットは服でパンパンなのにファッションがキマらない!」という“おしゃれ迷子”。本作はそんな彼女が2018年に男児を出産したところから始まる。
出産後半年で少し落ち着いてきたところで、一念発起。おしゃれをして気分を上げたい!と思うようになる。そこで雑誌を買い、SNSをチェック。だがそこは、あきば氏にとってはまぶしくキラキラすぎる別世界だった。お金に差があり過ぎる…モデルさんでもないし…と落ち込む。でもやっぱりこう思う。「わたしもおしゃれなママっていわれたい!」
そこであきば氏は、おしゃれになるためのテクやアイテムを調べ、周囲のおしゃれママ友に相談し、挑戦していく。でもかんたんにはいかない…。そんな彼女の挑戦をいくつかあげてみる。
子育て時に最適! シャツワンピ
忙しく頻繁に買い物に行けない、お金もそれほどかけられない、ということで着回せるアイテムを探し、シャツワンピにたどりつく。重ね着やボトムスにより印象を変えられて、想像以上の着回し力に感動するあきば氏。ただ母乳派のママには授乳しやすい前開きなところが重要。添い寝しながらの授乳にも重宝し気がつけば寝落ち…。シャツワンピには寝間着という役割が増えるのだった。
デザイン性の高いトップス
トップスは顔に近く、他人の目を引くアイテムだ。つまりそのデザイン性を意識するだけでかんたんにおしゃれになれる…はずだが、抱っこした時に子供が一番触れるのもトップス。つまり一番汚されるアイテムでもあるのだ。結果としてあきば氏はデザインよりも、家でガシガシ洗えるかどうかを購入基準に。
服の試着
実際に服を買おう! セールやってる! そんな時に必要なのは試着。だがママにはハードルが高い。子供と一緒に試着室に入るといきなり仕切りカーテンを開けられる。かといって子供を試着室の外でひとりにしておくと何をするかわからない。ぐずって泣き出せば、気になってママの判断力は鈍り、服を選び買うかどうか考えることができなくなる。結果、通販で購入してサイズ感、素材感などを見誤ることに…。
本作はこのような、全国のママが思わず「あるある!」と膝をうつファッション体験談をたっぷり収録。他にも体形の変化、ネイル、スキンケア、メイク、マタニティウェア、子供とのリンクコーデなど、ママが気になるポイントが数多く描かれている。
ママのおしゃれが劇的改善! 共感できるプロが教えるかんたん&時短メソッド
悩むあきば氏は服選びをプロに教えてもらうことに。レクチャーしてくれるのは、ファッションアドバイザーでライターの日比理子さん。彼女は2児の母で、子供が幼稚園に入るまでは雑誌も開けなかったという。そんなママ経験ももとにしたおしゃれ指南は、圧倒的に説得力がある。
日比さんがいうにはポイントは大きく分けて2つ。“着こなし”と“お手入れ”だ。
着こなし
まず気になる体の部位をカバーできるアイテムの種類、プチプラでも安っぽく見えないアイテムの選び方を解説。そのうえでサイズ感を意識し、袖のまくり方ひとつを変えるなどして着こなすのだ。これはSNSをお手本にすれば、お金も時間もかけずに再現できるそうだ。SNSのキラキラママについていけないというひとも、その着こなし方だけなら参考にできるはず。
お手入れ
ファッションアイテムの手入れは非常に重要だ。面倒くさいということなかれ。汚れたものを放っておけばどんどん劣化。すると新しいものを買うことになり時間もお金も結局かかってしまう。ただわかっちゃいても、面倒くさい…というあきば氏。だが日比さんは毛玉ケア、シワケア、スニーカーの洗い方を、かんたん+時短をキーワードに、さらりとレクチャーしてくれるのだ。
ママにおしゃれする余裕が出てきたら、つまりおしゃれしたいと思えるようになったら、「何を着るかではなくどう着るか」を意識してほしいという日比さん。
ちなみにあきば氏はレクチャーをもとに、着こなしとお手入れを実行したところ「やせた?」「今日の服ステキ」などと、周囲からうれしい言葉をかけられたそうである。劇的な効果をあなたもぜひ実感してみてほしい。
“ママだから”おしゃれを楽しもう
言うまでもなく小さい子供を育てるママは忙しく、頭も体も心も疲れている。すると自然と自分のことは二の次に。あきば氏も本作の中で描いているが「服を買うか迷ったら子供に役に立つものを買おう」「育児グッズをスマートに使いこなしているひとがおしゃれに見える」と意識が変わってしまう。それが当たり前だという風潮も根強い。
そのため“ママだからおしゃれを諦める”となりがちなのだ。ただ我慢してストレスをためず、おしゃれや好きなことをできる限りやって、気分を上げていったほうが絶対によいはずだ。理想論? でもママが楽しい気持ちになれれば、一緒にいる家族もみんな、きっとうれしい。
“ママだからおしゃれを楽しむ”のだ。
ぜひ本作を読んで、共感して、お手軽おしゃれメソッドを手に入れて実行してみてほしい。子育てをしているママ時間をもっと、楽しめるかもしれないから。
文=古林恭