株価が異例の乱高下! 「日経平均株価って何?」という大人がこっそり読むべき経済の超基本
公開日:2020/3/19
社会人として胸を張って「経済について詳しい」といえる人って、いったいどれくらいいるのだろう? テレビや新聞で見聞きするキーワードについては、“何となく”知っている。だが、知ったかぶりで「今さら誰かに聞くのも恥ずかしい…」とためらっている人も多いかもしれない。
そんな方や、お金知識ゼロという方にオススメしたいのが、経済の基礎知識を学べる『すみません、「金利」ってなんですか?』(小林義崇/サンマーク出版)だ。元・国税専門官という「お金のプロ」である著者が、日常よく見聞きするお金や経済に関する言葉の基本を、わかりやすく教えてくれる。
日本銀行は「銀行にお金を貸し出す銀行」
経済に関するニュースで「日本銀行(日銀)」という言葉を聞くことは多い。しかし、私たちが日常的に使うメガバンクなどとどう違うのか、説明できるだろうか? 周囲の人に聞いて回っても、「日本銀行で口座を作った」「日本銀行にお金を預けた」という人はおそらくいないはずである。
その理由は、日銀が主に「銀行にお金を貸し出す銀行」として存在しているからだ。実際に日銀の公式サイトをみると預金口座の開設先は「主として金融機関等です。このほか、国、外国の中央銀行や国際機関などが預金口座を開設していますが、個人や一般企業からの預金は受け入れていません」と案内されている。
さらに、日銀にはもう一つの大きな役割がある。それは、各銀行に供給するお金の量を調節して、市場全体に出回るお金の量をコントロールする「公開市場操作」だ。
この役割が、じつは住宅ローンなどの金利にも大きく影響している。一般的に、市場のお金が増えれば金利は下がる。これは、市場のお金が増えれば企業や個人の収入も増えやすくなるためで、そうなれば高い金利でローンを組もうとする人が少なくなる。当然ながら、市場のお金が減れば、世間の動きは逆へ向かうようになる。
新型コロナウイルス問題に対する金融政策のひとつとして日銀の介入がニュースにあがる昨今、ぜひ覚えておきたい経済の仕組みだ。
ニュースを見る前に覚えておきたい「日経平均株価」「TOPIX」「NYダウ」の違い
経済を読み解くには、その他にもさまざまな指標をたよりにする必要がある。その代表的なもののひとつが、ニュースで取り上げられる「日経平均株価」だ。
日経平均株価とは、株式市場である東京証券取引所の一部に上場している全銘柄のうち、225の銘柄の平均値をとった指標。日本経済新聞社が独自の基準で選んだ企業の株価を平均した値であるが、この上下をみると「日本の株価の全体感がつかめる」とされている。
一方で、株価の話題では「TOPIX(トピックス)」というキーワードも目にする機会があるだろう。これは日経平均株価と異なり、東京証券取引所の一部に上場している全銘柄を反映させた指標だ。ただし、数値は平均値ではなく「1968年の時価総額の値を『100』として、現在までの推移を記録」したもので、日本における「株式市場の全体的な成長がつかめる」という役割を持つ。
さらに、経済のニュースでは「NYダウ」「ダウ平均」という言葉もみかけるが、これは、ニューヨーク証券取引所やナスダックといったアメリカの株式市場に上場している国際的な優良銘柄30社の株価を平均したもの。先述した日経平均株価とTOPIXが日本国内の景気をつかむ指標となるのに対して、「世界全体の経済の動向」を知るために活かされている。
このほか、本書では、身近な場面やニュースをみるとき、また私たちが働いて得たお金をどう使うかなど、「お金に関するすべて」を知る際に非常に役立つ知識を一挙に学ぶことができる。
「源泉徴収って何が取られているんですか?」
「株の仕組みがいまいちよくわかりません」
「金利って良いもの悪いものどっちですか?」
「税金を払わないとどんなペナルティがある?」
大人になると大っぴらに聞きづらい「経済の基本的な知識」。本書はそれを背伸びせずに教えてくれる1冊だ。本書を通じて正しい知識を身につけておけば、いつか必ず役立つ日が来るはずだ。
文=カネコシュウヘイ