霜降り明星、EXIT、四千頭身…お笑い第7世代の「テク」を分析! マネしてコミュ力UPする方法
公開日:2020/3/18
霜降り明星、EXIT、四千頭身…など「お笑い第7世代」と呼ばれる若手芸人たち。テレビで見ない日はないほど、目覚ましい活躍を見せている。
そんな彼らの武器は、やはり話術。突飛なボケで笑いの波を起こし、さまざまなボキャブラリーを駆使したツッコミでさらにその笑いを大きくする。まさに職人技といえるだろう。
彼らのように「人の注目を浴びたい」「人を笑わせてみたい」と思ったことがあるアナタに朗報だ。笑いを起こすためのノウハウが詰まった入門書、『ラフノート 漫才の作り方入門』(大工富明:著、用宗四朗:マンガ/ヨシモトブックス:発行、ワニブックス:発売)がある。
著者は吉本のお笑い芸人養成学校NSCで講師を務め、漫才やコントなどの脚本を手掛ける大工富明氏。あのナインティナインにも教鞭をふるったという、まさにお笑いにおけるプロ中のプロだ。ストーリー仕立てで進む「マンガ」と、そのしくみを解説する「コラム」、そして学んだ内容を実践する「ワーク」で構成されているので、存分に楽しみながら読み進めることができる。
「いや、別に芸人みたいにウケたいなんて思ってないんですけど…」そう考える人が多いのはごもっとも。しかし、一度よく考えてみてほしい。「会話がつまらない」という人と一緒にいて、楽しい気持ちになるだろうか?
一緒にいて「楽しいな」と思える人は「もっと一緒にいたい」と思われるだろうし、「コイツの言うことはおもしろい。もうちょっと話を聞いてみよう」と評価されることもあるかもしれない。異性同性問わず、コツをつかむことができれば、とてもモテそうだ!
笑いの本質をつかめばコミュ力がUPする。その理由は?
本書曰く、笑いの本質をしっかりつかむことができると、「コミュニケーション力」「トーク力」「観察力」が身につくそう。ここでは、本書に掲載されている“共感”について紹介したい。
共感とはわかりやすくいうと、「あるある!」「そうそう!」と思えること。たとえば、話し方に特徴がある学校の先生のモノマネは、クラスや学校内ではウケるだろう。しかし、学校以外で披露すると目も当てられないような結果に…というのはよくある話だ。「その時、その場所」に合ったテーマが共感を生み、その共感が笑いを生み出す第一歩になるのだ。
聞き手が共感できるテーマを探すために必要なのが「観察力」だ。相手の年齢や性別、家族構成、職業、趣味などから共感ポイントを発見する必要がある。事前に演じるネタを特に決めず、舞台に立ったときに客層を見てネタを決める…ベテラン芸人がそんな離れワザを披露できるのも、この観察力の賜物だろう。
この観察力は、笑わせるという目的以外にも、上司や同僚、あるいは合コンで出会った異性との距離を縮めたいときにも有効だ。共感ポイント、つまり自分との共通点を見つけ、それを深掘りしていくことで、自然と会話が盛り上がるようになるからだ。
また、相手をしっかり観察することで、人の細かな変化にも気付けるようになる。そこを会話のポイントにすれば「この人は自分のことをよく見てくれている」と感じてもらえるはずだ(ストーカーまがいの観察力を発揮してしまうと相手はドン引きしてしまうので匙加減に注意)。
本書では他にも、聞き手が予想していなかった言動で笑いを取る「予想の裏切り」や、緊張状態を緩ませることで笑いを起こす「緊張の緩和」など、さまざまな笑いのテクニックがわかりやすく紹介されている。これらのテクニックを使って、日常的な人間関係を円滑に進めるも良し、「これは緊張の緩和テクを使っているな」なんて、分析しながらバラエティ番組を見てみるのも非常におもしろそうだ。
文=冴島友貴