およそ3人に1人は内向型。内向的性格は弱点ではない!?/『内向型人間だからうまくいく』③
公開日:2020/3/26
大人数の場が苦手、同時に複数の仕事がこなせない…。内向型人間は、話すのが苦手でも聞き上手。行動力がないように見えるのは、慎重に行動できる証拠。じっくりと仕事に取り組むことで、高い成果を出せるのです。本書では、内向型人間の長所を活かした働き方と生き方を提案します!
第一章 内向型の性格は直さなくていい
内向的な性格であることに、悩んではいませんか?
初対面の人や大人数を相手に話すことが苦手だったり、騒がしい場所にいると疲れてしまったり、一人で過ごす時間が好きだったり……。いずれも、内向的な人たちの特徴です。
もし、あなたがこのような内向的な性格の持ち主であったとしても、けっして珍しい存在ではありません。およそ三人に一人は内向型の性格であることが研究からわかっているからです。
しかしその一方で、三人に二人は「外向的」な人たちであるのも事実です。彼らはコミュニケーションが得意で判断が早く、マルチタスク(複数の作業を同時にこなすこと)をスピーディーにこなしてしまいます。
そんな外向的な人々に憧れたり、「外向的になりたい」と思ってはいませんか?
悩む必要はありません。内向的であることは、まったく弱点ではないからです。
大切なことは、内向型人間の特性をよく理解し、内向型の人々に向いた生き方を実行することです。そうすれば、内向型であることは弱みなどではなく、強みへと変わるでしょう。
内向型の性格は、直さなくていいのです。いえ、直すべきではないのです。
内向型の性格が仕事のストレスになった
そんな私も、かつては内向型であることに悩んでいました。
私は、典型的な内向型人間です。
学生の頃から一人の時間が好きでしたし、初対面の人との雑談は得意ではありませんでした。大学の頃、アルバイトを始めても長く続かないことが多くありました。某ファミリーレストランでは先輩たちが年上ばかりで萎縮してしまい、仲良くなれずに二カ月で辞めました。すでにできあがっている輪の中に入れず、雑談や社交辞令も苦手で先輩たちとの打ち解け方がわからなかったのです。そして、そんな自分があまり好きではなく、社交的になれないことへの罪悪感を抱えて過ごしていました。
しかし、自分の性格についての悩みが本格的に表面化したのは、就職してからです。
私はある医療機器メーカーで営業の人たちを補助する仕事に就きました。仕事はかなり忙しく、私が担当する数十名の営業の人たちから、「あの資料をまとめてくれ」「このデータが欲しい」など毎日たくさんの依頼が舞い込みます。
手が回らない場合は断る選択肢もありましたし、中には業務の意義がよくわからない依頼もありました。しかし、私は断ったり業務の意義を質問することができず、大量の仕事を抱え込んでしまったのです。
また、電話が苦手であることを強く自覚したのもこの頃でした。私はものごとを熟考するタイプなので、即答が求められる仕事の電話は苦痛だったのです。
電話によって仕事が一時中断し、集中が妨げられるのも嫌でした。決して集中力がないわけではないのですが、思考の切り替えに時間がかかるため、電話を終えてもしばらくは仕事に集中できません。
さらには、担当する数十名の営業の社員とのメールのやり取りも大きなストレスでした。メールの送信後に「あんなことを書いて失礼じゃなかったかな」「怒っていないかな」など、思い悩むことがしばしばあったからです。
そんな生活を送るうちに、私は、自分の性格に嫌悪感を抱くようになってしまいました。